統合失調症、低血糖症、うつ病のオーソモレキュラー療法サイトより
http://orthomolecule.jugem.jp/?eid=208
■非必須アミノ酸と必須アミノ酸
私たちの身体に必要な物質(栄養素)は、そのほとんどが血液を介して運ばれます。このブログで重要な脳については、血液脳関門という関所があるため、血液中の物質が何でもかんでも脳へ届かないように調節されています。
そのため、血液検査では脳の細かい代謝が正確にはんだんすることができません。ひとつの目安になるのは、脳脊髄液中の物質(栄養素)の濃度です。
血液と脳脊髄液の両方に高濃度で含まれているアミノ酸は、グルタミンというアミノ酸です。
このグルタミンは、多彩な機能を有しています。特にストレス時などには、グルタミンの所要量が増大するため、筋肉を分解しグルタミンを生成する反応を促進します。筋肉の分解がすすむと糖代謝に大きな問題が生じるため、是非とも避けたい状況です。
その他にも、多くの状況に応じてグルタミンは所要量が増加します。グルタミンは、非必須アミノ酸であるためあまり重要視されていなかったのですが、近年になり多くの病態改善に有効であることが分かり、多くの胃腸障害、うつ病などの精神症状の改善に応用され始めました。
かなり以前のブログで、腸管と脳神経は多くの機能で似ていることをお伝えしましたが、グルタミンでも同じことが言えるようです。
■グルタミンの不思議
グルタミンは、血液中にある遊離アミノ酸の中で最も大量に含まれています。血液中に大量にあるし、必須アミノ酸ではないので、これまでグルタミンは軽んじられていました。
しかし、見方を変えると人間の機能にとって重要な栄養素なので、自分で作ることが出来る非必須アミノ酸で、しかも欠乏は重篤な問題があるので多く含まれていると考えれば、グルタミンがもつ重要度がご理解いただけると思います。
以下は、グルタミンのもつ多くの生理作用です。
� 筋タン白の合成促進
� 筋タン白の崩壊抑制
� 小腸粘膜の主要なエネルギー源
� 大腸粘膜の重要なエネルギー源
� 腸でのナトリウムと水分の吸収促進
� 膵外分泌促進
� グルタチオンの合成
� 抗うつ作用
� 創傷治癒促進
これらの機能のうち、��は、筋肉に含まれるタン白質代謝に関係するものです。スポーツ選手が激しい合宿や試合などを行った後に体調を崩したり、風邪をひいたりするのはグルタミンの補給によって防止できるとされています。またこれまでも、筋肉のタン白質代謝を良好に保つことが、人の精神状態を安定させることに関係することもお伝えしました。
�~�は、栄養素の消化吸収にとって深い関係があるものです。グルタミンの不足は、栄養療法にとって最も大切な消化吸収能力を低下させます。
また�のように直接的に”うつ症状”にたいして作用を有するのですが、グルタミンは神経伝達物質の前駆物質としての機能も精神症状のコントロールに重要になります。
■グルタミンと精神状態
…つまりは、人間は活性物質や大切な物質は自分で産生する能力が備わっているので、材料となる前駆物質を十分に補うことが大切ということです。
さて、グルタミンについて見てみましょう。
グルタミンは、血液中にある遊離アミノ酸の中でダントツで多量に存在するものです。多くの機能を持つことを先日お伝えしましたが、神経伝達物質においても特異的な作用を有します。
それは、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸と、抑制系の神経伝達物質であるGABAの相反する2種類の神経伝達物質の前駆体であるという事です。
グルタミンが神経系に多量に存在するのは、刻々と変化する環境に対して興奮系と抑制系のバランスを保たなくてはならない、脳神経のバランスをとるためと考えると納得することができます。
脳血管障害の後に発症する、抑うつ傾向や注意力の低下、記憶力の低下などの諸症状に対して、グルタミンが効果を示し脳波で改善を確認したという記載や、抑うつ症状の改善、知的障害児へのアプローチなどで多くの報告があります。
しかし、グルタミンがもつ多くの機能を考えると、腸管粘膜の機能向上や体蛋白の異化抑制効果など、多くの自律神経に関係する作用があることも、精神症状の改善に効果がる根拠と考えることも出来ると思います。
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