江迎町は平戸市と隣接した佐世保の北側に位置する町だ。平戸街道が街中を通っており平戸藩の参勤交代時には一泊目の本陣の地とされていた宿場街でもあった。

 

明治以降は石炭業で潤っていた町で最盛期には数万人規模の人口があったが、1970年代以降、炭鉱が閉山していき、現在は5,000人規模の町となっている。

江迎町

 

3月17日から31日までの間、江迎では繭玉まつりが開催されている。週末にはイベントがあるので人では多いのだろうが、訪問した日がウィークデイだったせいか、観光客の姿もあまりなく閑散とした印象だった。

 

繭玉祭りは20数年前に地元の女性たちに元気を出してもらうために、細々とではあったがもともとこの地で作られていた繭玉造りをメインにした祭りを行っていこうという町興しから始まったプロジェクトである。当初は訪問客も多かったそうだが、近年、特にコロナ禍以降は訪れる人もめっきり減っているとのことだ。

 

江迎町 繭玉

 

江迎町 繭玉

 

江迎町 繭玉

江迎町 繭玉

 

繭玉は街中の通りで見ることができるが、メインの会場は高台に位置している寿福寺だ。寺の社務所に飾られた繭玉は華やかな中に寂静とした空間を演出していて、観るものを別世界に誘っている。

 

寿福寺は参勤交代時に平戸藩の藩主が滞在していた格式の寺である。寺自体は350年の歴史があり、建物は築200年以上という古刹だ。

寺の境内や、街中には花手水がおかれていて、訪問客に春の訪れを伝えていた。

 

私が訪れた時は、まだまだ桜には早かったが、来週末あたりは見ごろを迎えているのではないだろうか。

 

 

江迎町 寿福寺

 

江迎町 寿福寺

 

江迎町 寿福寺

 

江迎町 寿福寺

 

江迎町 寿福寺

 

江迎町 寿福寺

 

江迎町 寿福寺

 

江迎町 寿福寺

江迎町 寿福寺

 

町のはずれには造り酒屋があり、5名以上であれば、事前予約で見学もできるということだった。通りを挟んだ向かい側にはショップがあり、ここで試飲もできる。

 

私が訪れた日は町に一軒しかないレストランOTAYAが定休日だったが、サンドイッチの屋台が出ていたので、そこで平戸牛のサンドイッチ、1,000円を食すことができた。(アメリカンビーフやその他のサンドイッチは800円くらい)。平戸牛は初めてだったので、期待したのだが、和牛特有の深い味わいはなかったので残念だったが、まあおいしかった。

江迎町 潜龍酒造

 

江迎町 潜龍酒造

 

江迎町 潜龍酒造

江迎町 潜龍酒造

 

 

 

 

町の人がしきりにお花畑を進めるので、帰り際に立ち寄った。そこにはアフリカキンセンカ、ヒメキンギョソウ、菜の花が咲く花畑が目の前にあった。穏やかな陽光の中、そよ風と戯れている花たちが訪問者を温かく迎えている。心癒される景観であることは間違いない。しかし棚田が広がった中の一角だけがお花畑として利用されているので、どうしてもスケール感の乏しさが感じられたのは少々残念だった。(休耕地を利用しているので仕方ないのではあるが…)

 

江迎町 花畑

 

江迎町 花畑

 

江迎町 花畑

 

江迎町 花畑

江迎町 花畑

 

江迎町で一番印象に残ったのは、町の人たちの親切な対応だ。ここでは町興しとして様々な企画を試みているので、今後も注目していきたい。

 

江迎鹿駅

江迎鹿駅

帰りは彼杵半島の西海岸を通るルートをとった。個々はサンセットロードと呼ばれている。 出津教会、黒崎教会、遠藤周作文学館などがある角力灘に面した海岸沿いの道だ。大小の島々が点在していてとても夕日が美しい場所だ。

 

角力灘

 

角力灘

角力灘

 

5時を回っていたので遠藤周作文学館には寄れなかったが、近くにある黒崎教会に立ち寄った。残念ながら教会の礼拝堂の中は撮影禁止とのことなので、すなおに従って撮影しなかったが、ステンドグラスが美しいたおやかな礼拝堂だった。ここのマリア像はどことなく松本零士の切れ長女性のキャラクターを思わせて好きだ。

 

黒崎教会

 

黒崎教会

 

黒崎教会

 

およそ12時間、300kmの旅だったが、起伏にとんだ長崎の魅力が堪能できた小旅行だった。