去年の夏に交換したレッツ4のバッテリーを回収してきました
おばちゃんから「またエンジンがかからなくて...」と電話があり、この日は大阪の堺まで新しい車を探しに来ていたところでしたが、夕方でもよければ見に行きます！ということで見に行きました
無負荷電圧 11.4V
キーオン時 10.8V
Fiのジーーという音は鳴りますが、当然セルを回そうにもンギュ...とクランキング1回も回しきれません。。。
ちょうど今、イブパックスで使ってるバッテリーを外して持ってきてたので入れ替えて、始動をしてみると問題なくかかる〜
電圧も13.5〜14V、回転数を上げると上昇し14.8Vあたりで止まる。レギュレーターも問題なさそう？
一応バッテリーを預かって様子を見て、バッテリー自体に問題があれば保証期間内なので交換してもらいます
持って帰ってバッテリーを充電してみる。
よくあるバッテリー充電器を使用していて、2Aと急速充電になりますので30分ほどにします。
翌日も同じく30分ほど充電して〜
12.85Vになりました。
これを放置して2日後にチェック〜
12.79V。
さらに翌日の朝は、、、
12.79Vに落ち着きましたね！
これなら持っていって交換すれば問題なさそう
おばちゃんは家から1km先のスーパーをメインに、一番遠くても1.5km先の公民館に行くぐらいと言っていたので、走行時間がめちゃ短いのかも...
あまり短すぎると充電されません。良く言われるのは「30分ほどの走行が必要」です。
そして寒さも相まって余計バッテリーには良くない
さて、昼から持っていくか〜
プルルル〜？？
「またエンジンがかからなくなって...」
流石に短期間すぎる。。。6日しか経ってない。
これはレギュレーターの可能性が高くなってきた〜
もしかして僕が見に行った短時間では何もなくて、レギュが熱くなってきた頃に頭がおかしくなるやつ？？
以前、マジェスティ125でアイドリングを続けてレギュ本体が熱くなってきた頃（10分ぐらい）に急に出力電圧が降下するという故障がありまして、充電しても数日でバッテリーが上がるっていうのがありました
実際に見に行くとFiのジーー音のあとに問題なくクランキングした。
あれ？バッテリーじゃない？？
一応測ってみると10.62V！11V切ってるのにセルが回ってる！
おかしい。もしや...
キックペダルがスコーーーーン！！
「おばちゃん...今回バッテリー上りもあるけど、これ...エンジンがダメ...」
圧縮抜けてました
可能性としては、短距離でエンジンが温まる前にすぐに切ってしまうので、バルブにカーボンが堆積してしまうカーボン噛みが濃厚かと思います。
ということで車体を引き上げてきました。
キーオンで10.43V。
クランキングさせると7.62V。
自分のバイクにつけてたバッテリーがそもそもダメだった可能性もありますが、これは完全にバッテリー上がってます。
でもクランキングするんですよね...
スロットル全開でキックペダル蹴る。
850Kpaか〜
低い。。。
充電していた元のバッテリーを使ってみるとなんとかエンジンはかかる。
もしかしておばちゃんがバッテリーを上げてしまう前から元々かかりが悪くて、スタータースイッチを押す時間が長い時もあってバッテリーの消耗が激しいとか？
スロットルレスポンスは少し悪い感じ。
4ストは白寄りのきつね色が一番いいが、プラグは真っ黒。。。
かからなかった時に付いたガソリンでべちょってますが、拭いたら煤ごと取れるのでおそらく煤が被ってる状態。
やっぱり短距離走行が悪いかもしれない
充電していたバッテリーを使ってセルでクランキングさせて測ってみると少し上がって1000Kpa。
サービスマニュアルでは冷機時で
標準 1600〜2000Kpa
限度値 1200Kpa
圧縮が抜けてるのは間違いないですね。
ということでバラしていきます。
他にもダメなところがあったらまとめて直したほうが安く付くので点検しましょうか？と聞くとお願いします！ということでしたので、各部見ていきます。
エアクリはOK、タイヤは前だけが古くてタイヤも片べりが酷かったので交換、ブレーキは前後OK。
駆動系はベルトカスが凄い。。。
ウエイトローラーが摩耗大、ベルトはダルンダルンで幅は使用限度を超えてました。
あとクラッチ側のドリブンプーリーのベアリングがゴロゴロ言って、前後に押し引きをするとゴォーーと鳴ります。
とりあえず気になったのはそれだけです。
オイル交換はするけど、駆動系とかは点検して貰わない方は結構多いです
外装を剥がしてエンジンを降ろしました。
初めて触る車種なので2時間ほどがかかりました
エンジンは簡単におります！それよりも外装を剥がすのが時間がかかりますね
バスケット付きはどこをどう固定してるのか分からかったら大変
ここからは手がオイルまみれになったので写真を撮っていませんが、結果はやはりカーボン噛み。
シリンダーヘッドの燃焼室へ灯油を注ぎ、気密性をチェックしたところどうやらEXポートではなくINポート側から滲んでいるみたいでした
インレット側はあまり汚れてなかったのでエキゾースト側かと思いましたが、指で触って匂いを嗅ぐとインレット側だけ灯油の匂いがしました。
交換必要な部品を洗い出したので注文します
レギュレーターは別のものと入れ替え予定で、試運転時に電圧計を取り付けながら時間をかけて確認します
実は他店舗で乗り換えを勧められたのですが、「歳も歳であと2、3年しか乗れないかもしれないのに、他のバイク屋さんで勧められたのが20万円もするので、乗り換えるのもちょっとねぇ...」と困っていたところに外で作業していた僕に声をかけてくれたのです。
今にも壊れそうな言われ方をされたそうで、話を聞くと不安そうな感じが伝わりました。
バイクは整備すれば長く乗れるので、おばちゃんが乗らなくなるまで乗り続けられるように僕が整備します
これで治れば嬉しいな〜