<オカマ珍道中 その3からの続きです>



 さてさて、楽しいことはあっと過ぎるもので旅行最終日になった。


 

 帰りもホテルで解散して、あとは各々自宅に帰るのである。



 んで最終日の朝、すごい早い時間にアテクシの部屋をノックする音が。



「はああい。」



半分眠気眼で、扉を開けるアテクシ。



そこにいたのはマスター。



「あ、ごめんね。こんな朝早く。さっき私のお父さんの調子が悪いって病院から連絡が来たから、早く帰りたいの。」



「それは大変、早く行ってあげて。」



「で、Tomyちゃん、相談なんだけど。私昼の飛行機で帰るのよね。それだと遅いから、今から新幹線で帰ろうと思って。


私の飛行機のチケットと、Tomyちゃんの新幹線の切符、交換してくれない?」



 まあ、こんなこといわれたらさすがに断れない。



「いいですよ、でも僕帰り乗車券のチケットしかないですけど。」



 マスターの眉が一瞬ぴくっと動いた。


 アテクシ、何時に帰ることになるかわからないから、帰りのグリーン席特急券は買ってなかったのである。




「いいわ、乗車券ちょうだい。」



 なんかピリピリしてるなあ、と思いつつ乗車券を渡した。



 急遽、飛行機で帰ることになったアテクシ。

しかし、アテクシは飛行機が非常に怖い。

だから安い飛行機パックツアーじゃなくてわざわざ新幹線にしたのだ。



帰りの飛行機は乱気流に巻き込まれて大変怖かった。



ひいひい言いながら自宅に到着。


するとマスターからメール。


「私結局グリーン車で帰りました。乗車券しかもらってないので、後で差額のグリーン特急券の金額払ってください。」



えええええ、ありえない。



だって交換して欲しいっていったのそっちだし、



パックツアーの飛行機代のほうがグリーン車よりはるかに安いし、



しかもアテクシ飛行機嫌いなのに。




マスターと仲のいい常連さんに相談したら、

「それはひどいね、マスターに事情説明するよ」って間に入ってくれて払わなくてすんだけど。



まさか自分がグリーン車に乗りたかっただけってわけじゃないでしょうね。



 で、後から聞いた話。マスターのお父さんは全然元気らしい。



今日は少しみみっちいお話でした。