そんなこと、どうでもいい! | EDオヤジ、67才からのチャレンジ!

EDオヤジ、67才からのチャレンジ!

敗走か? 迷走か? 暴走か? 何度目かの壁を破って突き進んだ先に見えたものは、これまで体験したことのない刺激的な世界だった。高齢者ドライバーへの反感が高まる中、それに逆走するエキサイティングなタクシードライブが始まった。

先輩ドライバーにバッサリと切り捨てられた。

「電車で通っているの?」と声をかけていただき「ほんとうの家は近くの緑地公園にあるんですけど、」と答えようとしたところで、「いろんな事情やろ。ここは訳ありの溜まり場やから。そんなこと、どうでもいい。」と、たたみ込まれてしまった。

先輩は「気にしなくていいよ」という意味で言ってくれたようだが、ほんとうの理由は大人の事情ではない。電車で30分ほど離れた大阪市内に仕事場として事務所を借りているだけである。編集企画の仕事をするには、都合が良かったからだが、「訳ありなら話さなくていいよ」と気遣っていただいたようである。話を戻すのを憚れて、ちゃんと説明できずに会話を終わってしまった。

僕より年齢的に上の先輩からの、そんな気遣いと誤解をしていただくこの職場に、返って居心地の良さを感じた。みんなが大人の事情を抱えている。

振り返ると自分も訳ありの塊である。

ここは大人の事情を抱えた者たちが辿る終着点でもあるらしい。