犯人が逮捕されること
あるいは
単に
死亡ひき逃げ事故の時効が撤廃されること
が
この戦いの（あえて戦いと書きます）
ゴールではないように
僕は感じています
孝徳くんとお母さまの無念を思うと
何としても犯人を捕まえてほしい
心から
そう願わずにいられない
けれど
知り合いでも何でもない他者の
不条理に
私たちはなぜこんなにも
いきどおり
心さいなまれるのでしょう？
説明のつかない
このいたたまれなさは
いったいどこから来るのでしょう？
十年前の
この事故この事件は
私たちが寄って立つ社会の
ほころびと
危うさを
見せつけている気がしてならないのです
私たちは
他人事としてこのほつれを
見逃してはならない
事故が起きた瞬間
犯人をして
被害者の救助に向かわせなかったものの
正体
その場から逃げ去らせたものの
正体
私たちが
恐れずに
立ち向かい
見据えなければならないのは
これだと
僕は思っています