「育毛剤とトイレ掃除」 | 神即〈いのち〉、〈いのち〉即感謝

神即〈いのち〉、〈いのち〉即感謝

神とは〈いのち〉であり、それへの感謝が信仰だ。あらゆる違いがあっても、それは闘争の理由とはならない。我々は等しく〈いのち〉を生きているからだ。その理解こそが、新しい文明の思想軸となる。


 最近、テレビのCMで有名なリーブ21の岡村勝正社長のご自宅にお招きに預かりました。以前から面識はあったのですが、今回は法要のためです。その邸宅の立派さに度胆を抜かれましたが、もっと驚いたのは、岡村氏の謙虚さです。創業40周年を迎えられましたが、その間ずっと社内のトイレ掃除を続けてこられたそうです。お食事も頂きましたが、社長みずからがお料理をして下さいました。拙著『死者は生きている』(筑摩書房)に書いた通り、ご先祖を大切にしてこられたおかげで、幾多の困難を乗り越えてこられたようです。

 自動車修理工から始め、クリーニング業で成功し、その後、育毛剤の会社をお創りになったそうですが、やはり独創的直観の人です。一代で大事業を成し遂げるというのは並大抵のことではありませんが、そういう人たちは、やはり生きる態度がどこか凡人とは異なるような気がします。

 それにしても、六十代半ばになっても一向に禿る気配のない私は、リーブ21の製品とは当面ご縁がなさそうです。仏門に入った以上、できれば、全部剥げてほしいぐらいです。岡村社長、次は禿げ薬を開発してください。(笑)