……前回からの続き
そして、以前から数名の友人に勧められていた、あるオステオパシー治療院へ行ってみることにしたのです。
そこは、家から片道1時間かかるうえに保険も効かないので、どんなに「いいよ」と言われても、重い腰が上がらなかったわたくし。
でも、今回ばかりは背に腹は代えられぬ ということで、とうとう予約して、行きましたとも。
7月29日。
グーグル先生のおかげで、知らない場所でも大抵たどり着くことができます(でもやはりちょっと迷った)。
問診票を記入。
「過去に入院するような病気やけががあった方は記入してください」
という問いに
「髄膜炎」と「腰椎圧迫骨折」
と記入。
「髄膜炎」は、18年ほど前、疲れがピークに達していた時に罹って、約2週間入院したのです。
「腰椎圧迫骨折」は、昨年ベランダから墜落した、例のやつ(笑)。
いよいよ施術用ベッドに上がり、あおむけになりました。
その先生の施術は、強くもんだり引っ張ったり、無理に動かしたりは絶対にしないという評判です。
噂通り、そっとやさしく頭や首筋などに触れるのですが、左肩の周辺は痛すぎて、思わず「痛っ!」と呻いてしまいます。
15分間ほど、やさしく触れるように施術してくださいましたが、
「今日は治療はできません。肩が炎症を起こしていて、とても腫れているので、少しおさまってからにしましょう。」とおっしゃいました。
「あなたは硬膜がとても硬くなっていて、それで免疫力が落ち、体液の循環が悪くなり、炎症も治りにくくなっているのです。今日は硬膜を少し和らげる治療だけしましたから、次回はしっかり治療しましょう。」
硬膜???
硬膜とは脳脊髄を包んでいる膜だそうです。
そうか、わたくしは硬膜が硬いのか 。
「髄膜炎か、腰椎圧迫骨折か、どちらかが原因だと思います。」
なるほど そうですか。
「今日は治療できなかったので、お金はいりません。1週間後に来てください。
それまで毎日、1日に3・4回、肩にべっとり馬油を塗ってくださいね」
馬油を べっとり?
塗った上からラップとかするんですか?とお尋ねしますと
「いえ、そのまま服を着てください。服に馬油がつきますが」
ソンバーユ という商品が良い、ということでしたので、帰りにそれを買い、馬油専用Tシャツを数枚決め、肩に馬油を塗りました。
べっとりと。
獣臭がするだろうと覚悟していましたが、ほぼ無臭です。
その頃にはもう、服を自分で着脱することもできなくなっていました。
左手で、自分の顔に触ることすらできません。
ですから、顔や髪や体を洗うのは右手一本でやります。
くよくよしても始まらないので、出来ないことは夫まーさんに介助してもらってのんびり生活していました。
ただ、ヨガや太極拳など、心身の健康のために行っていた運動は一切できなくなりました。
朝晩のストレッチや筋トレもできません。
家事も料理以外はほとんどできなくて、まーさんが手伝ってくれました。
車の運転は、右手でハンドルを動かし、左手でハンドルを支えることでどうにかこなしました。
買い物にはまーさんが同行して、荷物は全部持ってくれました。
優しい夫で本当に幸せ~としみじみ思います。
日田行きは、自分の荷物すら持てないわたくしでは、何の手助けにもならないばかりか、足手まといになるので、泣く泣く欠席しました。
そして5日、待ちに待った治療の日。
左肩の痛みは、ずいぶん軽減していましたが、前とは違うところが痛くなったりしていて、相変わらず不自由な生活。
しかも、馬油のべとべとが鬱陶しいため、あまり真面目に塗っていませんでした。
先生から
「馬油はちゃんと塗ってましたか?」と聞かれ、
あ、いえここ2・3日サボってました……。
今回は、30分間みっちり、治療していただきました。
しかし、これまでいろんなマッサージや整体を経験しましたが、こんなのは初めてです。
どんなのかと言うと……
まずはあおむけに寝かされ、そーっと頭がい骨に触れる感じ。
それが終わると、今度はベッドに腰掛けた姿勢で、背骨に触れます。
そして最後はわたくしの正面にかがんで、わたくしの左腕を 先生の左腕に乗せるようにしながらそっと触れます。
これで終わり。
なんとなく拍子抜けするような、施術感のなさ(笑)。
ビフォーアフターの差が全然ありません。
ちょっとがっかり。
でも一応、次回の予約をして帰途につきました。
「馬油はちゃんと塗ってくださいね」と念を押されました。
ハーイ……
ところが、
1時間後くらいからだんだん左肩の痛みが増してきました。
夕食の準備はどうにかしましたが、片付けは帰省中の長女サキにやってもらいました。
肩は時間を追うごとにどんどん痛くなっていきました。
心臓の鼓動と共にズッキンズッキンと激痛が走ります。
夜は、体は疲れているのに 肩が痛すぎてほとんど眠れませんでした。
こんなに痛いのは、髄膜炎以来です(あれは実に痛かった)。
これは好転反応だろうか、それとも……(-_-)。。。
いろんな想像が渦巻いて、なおさら眠れず。
原因はどう考えても、あの施術しか思いつきません。
ほとんど何の治療もしていないように見えたのに、おかしいな。
痛いよ~~~~(T_T)
翌朝もまだ肩は痛くて、家族に 痛い痛いと泣き言を言いました。
それが、午前10時頃になると、あら?
あららら????
あんなにひどかった左肩の痛みが、嘘のように軽くなりました。
可動域も、明らかに広がっています。
それから、日々 肩は楽になり、今現在(8月8日)、背中のホックやファスナー以外は、おおかた自分でできるようになりました♪
着替えも運転も、問題なくできるようになり、本当に嬉しゅうございます。
それにしても、あの ただ触っているようにしか見えない治療がこんなに影響を与えるなんて不思議です。
先生は、3回の通院で完治するでしょうとおっしゃいました。
あと2回、楽しみなような、怖いような(笑)。