映画『あの人』


2014年/日本/87分/モノクロ

監督:山本一郎

脚本:織田作之助(推定)


出演:田畑智子、神戸浩/大野秀典、多井一晃、彩ほのか、鷲尾直彦、杉山味穂、中島ボイル、上野宝子、大野裕之、川嶋杏奈/林基継、橋本一郎、上西雄大/福本清三、峰蘭太郎 他

配給:劇団とっても便利


作家・織田作之助が昭和19年(1944年)に書いたとされ
2012年に大阪の中之島図書館で発見された映画脚本を
一字一句変えずに独自の解釈でモノクロ&スタンダードで映像化した映画なのだとか

<あらすじ>(引用)
戦死した部隊長の遺児を育てる4人の帰還軍人たち。しかし、戦局の悪化とともに帰還軍人たちは軍需工場に働きに出ることになり、代わりに4人の女たちが遺児を預かることに。「小隊長」と呼ばれる遺児の少年を中心に、戦時下の奇妙な共同生活をユーモラスに描いた。



 
京都先行というこの時に気になっていたのだけれど観られなかったこの作品

京都凱旋公開にてようやく観ることが叶った!

大野裕之さんがとても推してらしたことが この映画を観る動機

その大野さん  俳優さんとして独特の雰囲気でご出演になっていらした

なんといってもこの脚本が描かれていた昭和19年頃の世界観そのもののモノクローム

なのにところどころ現代?みたいな部分もあって
現代に創られた昭和の映画らしい面白さ

レトロという言葉だけでくくってしまってはいけないような
映画を愛する人たちの情熱が創った映画と言う感じ


映画を日常ではなく映画のセットで撮るということへのこだわりが伝わってきた

映画『太秦ライムライト』にご出演の福本清三さん・峰蘭太郎さんも出演の『あのひと』

あの『太秦ライムライト』撮影直前に同じ太秦で撮影されたのだとか

どちらの映画からも日本映画の伝統やそれらへのリスペクトが感じられる映画だった

第22回ミンスク国際映画祭で特別賞を受賞されたとの事!

おめでとうございます!

こういう映画を観るとホッとする

こういう映画を創り続ける方がおられればこそ!

石丸幹二さんを応援する事で大野裕之さんという方を知って

その感性に惹かれ 折に触れ作品を読み&見続ける事でいただいたご褒美のような作品だった