読書記録 夫婦愛がおこした「デトロイト美術館の奇跡」 原田マハ (新潮社)

 

 

 

 

 

 ゴッホ、セザンヌ、マティス。

 

 綺羅星のようなコレクションを誇る美術館が市の財政難から 存続の危機に晒される。。。。

 

 市民の暮らし(実際は公務員年金)と前時代の遺産。。。。どちらを選ぶべきか?

 

 

 

 

 アメリカの地方政府の財政破綻のニュースをたまに耳にします。

 

 日本でも夕張市が 財政破綻しました。

 

 そこまでいかなくても 美術館・博物館などの公共施設が 財政難のおり 閉鎖されることはあります。

 

 そのとき、美術館のコレクションはどうなるのか。。。。

 

 公金で購入したものもあるでしょうが、寄贈による収蔵品というのも多いです。

 

 また、公立施設ということで、コレクションを安価で購入できたケースもあると思います。

 

 

 

 

 原田マハさんの 「デトロイト美術館の奇跡」は そんな問題を描いた作品です。

 

 初出は なるほど・・・・「芸術新潮」です。

 

 デトロイトはかつて世界屈指の自動車産業の中心地として栄えましたが、その衰退とともに経済・財政も悪化しました。

 

 

 

 

 最終的な結末は 予定調和的な感じもしますが。。。。。。

 

 

 デトロイトの斜陽化した自動車産業で塗装工として働いてきて 55歳でリストラされた主人公フレッドの亡き妻ジェシカへの思いがきっかけというのが 胸に迫ります。。。。。

 

 

 

 

 私は次の一文でやられました。。。。

 

 フレッドがリストラを告げたときの妻ジェシカの言葉です

 

 

 まかせといて、と妻は言った。

 

 どっちにしたってあと五年でめでたくリアイアだったんだから、それがちょっと早まっただけのことよ。

 

 あたし、あなたのぶんまでがんばって働くから、なんの心配もいらないわ。

 

 それから、こんな風にも言った。

 

 -ねえフレッド、その代わり、あたしのお願い、ひとつだけ聞いてくれる?

 

 あなたがリタイアして、時間にも心にも余裕ができたら・・・・・あたし、一緒に行きたいと思っていたの。

 

 -デトロイト美術館へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

【頑張ってもなかなか報われない人への応援歌】

〇シンガーソングライター 平野里沙さん 「PONY」スローバージョン (You Tube)

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