同想会 1 | たんたんたぬきのハラ時計

たんたんたぬきのハラ時計

ゆうなぁの小説
じゅりれなの小説。

アイコンか、コメントで
46、48ファンと
分からない方々様は
フォロー及びアメンバーの承認はしていませぬので、あしからず


これを目にした瞬間
勿論、懐かしさはあるものの

ほぼそれと同時

直ぐさま
ある事が頭を過ぎる
〝あいつは・・・〟
〝あのこは・・・〟

〝果たして
やってくるんだろうか?〟




『同想会』あいつとあのこー


「ね、岡田さん
なんか携帯鳴ってない?」

「えっ?
あ、ああっ、ホントだっ、サンキュ」

それは初夏のある日の事
オフィスでの昼休み、同僚に肩を突かれ
パソコンから目を離すと
無造作にデスクに置かれたスマホが
まるで何かを急かす様に
バイブの反動で机を這い


〝ええっ?なに?
知らない番号なんだけど・・・〟


声をかけられたはいいが
若干訝しげに
それでも大学を卒業してから早数年

ほとんど社交辞令で
ナンバーを交換した何人かの顔を
思い浮かべ乍らスマホを手に取る。

するとまったくもって予想外

途端、思いがけない
懐かしい声が徐に耳に飛び込んで来たりして

「えっ⁉️‼️

えええーっ‼️ ‼️ ‼️
うそっなに向井地⁉️向井地なのっ⁉️」

『あははー当ったりーっ‼︎
7年ぶりだってのによく出来ましたっ』

それは実に高校で3年間
同じクラスだった
所謂腐れ縁の同窓生と言う思わぬ展開で

「ええっ⁉︎
もうそんなになるっけ⁉︎ ‼︎ ⁉︎

うん、でもそっか
よくよく考えたら
高校卒業して以来だもんねっ」

『そうだよ、もぉぉーっ‼️

こんの薄情ものぉっ💢
卒業して大学離れちゃったが最後
さっぱり連絡もくれなくなっちゃってさぁ』

「あー・・悪い。

実は入学して直ぐに
携帯壊れちゃって
データ全部ぶっ飛んだりしたからさ・・・」

なんて如何にも
苦しい言い訳をしたりして

「うん、にしても
よっくこの番号分かったね」

ところがアタマの
回転の早い向井地は直ぐに何かを察し

『ふふん、まぁ伊達に
3年間もクラス委員を張ってた
ワケじゃないんだかんねーだっ』

そのネットワークを
誇示するかの様、声色は殊更に陽気に踊る。


けれどそれはそれで
矢張り彼女なりの
入り口を探していたと言うか

その会話の
流れの中で

『ね、なぁ
あのさハナシは変わるんだけど』

つまりは顔の広さを駆使し
私の連絡先に辿り着いた本当の理由を

さり気なく此方に向かって
告げる機会ってのを
じりじりと伺っていたワケで
『ね、ハガキ・・届いてるんでしょ?』
「だからさ、届いてるんだろ?ハガキ」