僕の夏が始まる 5 | たんたんたぬきのハラ時計

たんたんたぬきのハラ時計

ゆうなぁの小説
じゅりれなの小説。

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フォロー及びアメンバーの承認はしていませぬので、あしからず

「岡田っ、
なぁ、夢莉今日で何日来てない?」

「3日」

「絶対おかしいよ
だって前日まであんな元気にグランド
走り回ってた筈なのに・・・」

「村山なんか聞いてない?」

「特に何も」

「今日辺り自宅に電話してみよっか?」

「けどなんか事情が
あるなら逆に連絡とかしたら迷惑じゃね?」

「迷惑なのはこっちだよ
大事な試合が近いってのにっ」

「そんな言い方・・・」

「でも気持ちは分かる。
だって夢莉はチームの司令塔だよ?

あの子が抜けたら
逆立ちしたってインハイは疎か予選だって
マトモに戦えるかどうか・・・」

ついこないだまでは
〝今年こそは全国に〟をスローガンに
あれ程活気に
溢れた部室であった筈なのに

夢莉の欠席を境に
チームはガタガタと音を立てて崩れ始め

ただ幾らなんでも
このまま崩れ切ってしまったら
今迄何の為に
頑張って来た感がもう半端無く

「いいよ、私行ってくるわ」

「行くって?なぁ、夢莉ん家?」

「うん、もしかしたら
只の風邪って事もあるかもしれないし・・

どっちにしても
今のままじゃ埒があかないからさ」

「だな、大勢で
押し掛けてもそれこそ迷惑かけるだけだし
ここはなぁに任そっか」

その言葉を受けて
早速今日の放課後
練習をパスした私は急ぎ足で昇降口へ



「待ってーっ‼️
待って、待って、なぁちゃん待ってっ‼️」



「ええっ⁉︎ 村山⁉︎ ⁉︎」

振り向くと
つい今し方まで部室に居た筈の村山が
それこそ血相を変え
全力で駆けて来たりなんかして

「なにっ?どうした部活は?」

「一緒に行くって抜けて来た」

「ああ、そっか
村山も一緒なら私も全然心強いし」

「じゃなくてっ‼️
行かないであげて欲しいの夢莉ん家

お願いっ‼️この3日間多分あの子
学校に行ってる事になってると思うから」

「はあっ⁉️ ‼️ ⁉️」

思いもかけない村山の言葉に
私はただもう絶句するってかなんてか

「てことは何⁉️ ‼️
村山なんか知ってんの⁉️夢莉の事

だったらなんで
さっき皆んなの前で・・・‼️」
「・・・・・」


途端、何時もの
村山とは別人の様に俯き目を逸らし

・・・・・・


ああ、そっか・・・「だよね・・

言えない事だから
こうしてわざわざ
追っかけて来たんだもんね」

瞬時に
私はそう悟り

「でも来てくれたって
事は話してくれるんでしょ?」

故に私は
声を荒げる事を止め


「いいよ、聞くよ」


そして村山と2人
私は肩を並べて歩き始める。