ミュージシャンになりたいと思ったこと、ある?
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「音楽は音譜や楽譜だけではありません。鳥の声も谷川のせせらぎも、何を聴いてもそれが音楽と聴こえる耳を養いなさい」
そして淡谷が久保田稲子に師事する前の師匠に、荻野綾子という人がいて、このリリー・レーマンと共にその声で当時を偲ぶことができます。久保田が米国とドイツに留学したのに対して、荻野はフランスに留学しています。久保田稲子の父は、鈴木米二郎というひとで、現在の東京音楽大学の前身となる東洋音楽学校を設立した人物で、荻野もそこで声楽の教師をしていました(参考)。
淡谷のり子(1907-1999)
荻野綾子、”春の唄” by 宮城道雄(1933)
…ともあれ、きょうびは、自然派、というか心の内からやむにやまれず音楽の道に入った音楽家の暮らしは楽ではありません。淡谷のり子さんもヌードデッサンのモデルで学費を稼いだと言います。音楽家として、お抱え(給与所得者)になれば、健康保険や厚生年金にも半額負担で加入でき、日本のように、労働組合も作れるでしょう。ちなみに、アメリカでは国民皆保険制度がないので、音楽家の最低生活保障をチャリティに頼っています。昔は、おそらく「生きる」ということが自然に近かったので、-- 自然の恵みへのアクセスが今より自由だった -- 音楽家が、托鉢のような格好でも生きてゆけたのでしょう。いまはできません。
Donald FagenがJazz Foundation of Americaのチャリティ・コンサートでインタビューに答え、食い詰めたミュージシャンを救済するには良い試みだと言っていました。この話で、「ああ、アメリカではそうか」と思いましたよ。そして、ネットでの音楽配信でCDが売れなくなった。Youtubeは宣伝になるのですがね。時代にキャッチアップできずに相対貧困に陥った中堅ミュージシャンは多いようです。Fagenは、Sonny Rollinsへのトリビュートとして"Paul's Pal"を演奏しています。
さて、アメブロ・スタンプの質問に戻ります。
”ミュージシャン”になりたいと思ったこと、ある?
他になりたいものがあったし、趣味として封印してしまいました。しかし、いつも次の曲のような気分でしたね。サキソフォンは思うように吹けませんけれど…
Steely Dan, "Deacon Blues"(1978)
Learn to work the saxophone
I play just what I feel
Drink Scotch whiskey all night long
And die behind the wheel……
Good Luck
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