スチュワーデス、憧れたことある?
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ふーむ、「CAの日」になっていないんだね。「スチュワーデス」はなんだか懐かしい響きですよ。あ、「スッチー」は使いますね。「エア・ホステス」なんて呼ばれた時代もあったかも。
航空業界というのは、同じ運送業界でより歴史の古い海運業界、つまり船舶の影響をずいぶん受けています。飛行機を飛ばすのは船を動かすのに似ていたから、組織やをそっくり真似たのでしょうね。
機長はCaptainで、船長に由来。
副操縦士はChief Officer/First Officer、で一等航海士と同じだったけれど、最近の飛行機では First Officerが隠れてCo-Pilotで「コパイ」と略するのが多いのかな。初期の旅客機は4人乗務(機関士、通信士)、3人乗務(機関士)の時期を経て現在の2人乗務になったから。Cockpitに部下がいない。だからかな。ちなみに、日本の海運業界ではChief Officerは「ちょーさー」という。
CAの責任者は、Pursor(パーサー)で、事務長。船舶も同じ。けれど船の方はどちらかというと裏方で、船舶の運行に必要な物資、船用品の調達なんかの取りまとめなんかもする。CAはもともと、Stewardで、乗組員・乗客の生活全般や貨物の面倒を見る役割。日本語訳は「司厨長」で本来ならその下にSalon boy/Pantry Boyという司厨士がいた。飛行機ではひっくるめて女性形になってStewardess。
Portは港のことで、Air Portは空港。Landingも操船用語で、港に接舷すること。
船の左舷がPortなのは、港に接岸するときは左舷という約束になっているから。右舷はStarboard。これは飛行機も同じ。船長も機長も定位置はPort側にいる。船舶も飛行機も乗客の乗り降りも左側のドアから。右のドアは荷物などの積み下ろしに使うことがある。LCCや地方便なんかに乗ると、タラップでボーディングすることになるけれど、これが左側だけなのも船舶の様式に由来します。両側につければ早く乗り降りできるのにね。
飛行機に乗り込むのはBoardingと言いいますが、これも船ですね。まず「甲板」の上に乗るから。
船室を意味したCabinも飛行機が真似た。乗組員を表すCrewもそうだね。飛行機文化では、Cockpit Crew、Cabin Crew、Grand Crewと、Crewを地上勤務者にも広げていますね。これは船舶にはない。
エアバス(Air Bus)という呼び名ができたとき、欧州のCaptainやCrewたちはたいそう怒っていたといいます。飛行機はShipと呼ばれますからね。俺たちが操縦しているのは、断じて「空飛ぶバス」なんかじゃあない、というわけです。そこに誰かが「飛行機にはタイヤがついているじゃないか」と茶々を入れると、「あれはLanding Gearといって、バスの車輪と一緒にしてもらっては困る。Landing Gearによっては水上にも降りられる」と、傍目にはつまらない論争をしていたとか。
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スチュワーデス、憧れたことある?
ありますよ。CAさんには素敵な人が多いですよね。何かと不条理なことの多い接客業だし、狭いキャビンの中で多くの人に立ち居振る舞いを絶えず見られ、その中で笑顔と安全への配慮を絶やさないようにするストレスの多い仕事なんでしょうね。だから外面も内面も鍛えられるのかな?…と思える人に出会うとね、惚れます。でも、Stewardのそもそもの語源、「豚小屋の番人」の人も結構いますから、そちらはキビシイな。
Air Franc Commercial 2011, "Mozart K488 Adagio 'L'Envol'"
Air FranceのCMはいつも映像が美しい。音楽もいいんだよね。…昔、パリから成田へのAF便。夕食の前菜のフォアグラのテリーヌが美味しくて、評判のAFセレクションのワインでちびちびやっていたら、それをみた男性CAが「テリーヌ、おかわりあるよ。いる?」って聞いてきた。「いいの?」、「もちろん」というのでおかわりしたよ。で、2皿目を持ってきてくれたのはその男性CAじゃなくて、クルーの中では一番の美貌の女性CA。ワインも一緒に。あのサービスにはやられたねぇ。飲みすぎて、降りる頃にはむくみ切ってフォアグラになってたけど。
Good Luck