勝又壽良さんのところの記事を読んで、ふむふむ、やっとそういう話になるのね、と思ったらbloombergが次のように伝えていた。

 

bloomberg.jp

 

わお、メルセデス・ベンツも中国資本がオーナーシップを握るのですかね。

まだ確定ではないようだけれど。

 

吉利とは、浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ、Zheijiang Geely Group Holding Co. Ltd.)のことで、冷蔵庫の組み立てから起業し自動車会社吉李汽車を立ち上げた1963年生まれの李書福(リー・スーフー)が創業者にしてCEO。全人代にも台州代表として議席を持つ有力共産党員のようですなぁ。この人はすでにスウェーデンのボルボを買っています。

 

ボルボ・グループはスウェーデンの乗用車から建設機器、船舶、金融などを事業内容とするコングロマリットで、乗用車部門は1924年創業。1999年、その乗用車部門ボルボ・カーズは、世界的な自動車産業の再編でフォード傘下に入る。ボルボの名称使用ライセンスも含めて買ったから、ボルボは名ばかりで実質、フォードだった。

 

2010年、フォードは吉利に所有する全ての株式を売却する。2007年リーマンショックによる低迷が原因です(スウェーデン政府は、自国の自動車産業を助けなかった。その結果、ボルボは吉利に、2000年からGM傘下となっていたサーブは、中国企業を親会社に持つ香港の投資会社ナショナル・モダン・エナジーHDと日本の投資会社サン・インベストメントの合弁会社ナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン社に売却された。その結果、「スウェーデンの労働者の半分が外資系企業に雇用される」<日本総研経済レポート2011.2.25 -- 反グローバリズムの人は読むと吐くよw>ことと相成った)。

 

そこからボルボはエンジンもシャーシも、自社開発に切り替えた。最近は何やら元気で、都内はボルボのXC60とかV40をよく見かけるようになった。「スカンジナビア・デザインの極み」とかキャッチ・コピーが入っているけれど、中国企業ですな。

 

李書福氏(1965-)、吉利汽車創業者・董事長、

中國人民政治協商會議第十一屆全國委員會委員、台州市人民代表大會代表

 

スウェーデンも中国資本に相当やられているようだけれど、ロシアのクリミア侵攻以来危機感を強めていて政府が国民に対して「戦争への備え」(2018.1.18 CNN)を呼びかけている。ですが、一方で、外資と移民(無論、大量のシナ人も)の受け入れを推進したおかげでみるみるGDP伸び率は減速し、社会保障費を中心に財政赤字は膨らみ、かつての北欧の優等生の面影は失われつつあります。そして、無論、草の根スタートの移民排斥・国家主義政党が力を持ちつつあります(あれを「極右」というのはグローバリスト側のプロパガンダでしょう)。とにかくスウェーデンはぐちゃぐちゃのようです。

 

VW(Audiもね)、BMWは中国にでっかい工場を建てて、そこで作られた車を世界中に輸出しています。メルセデスもそうですね。組み立て工場なのでコア技術やコア・ノウハウの流出は少ない、という話もありますが、いかがなものでしょう。北朝鮮が大陸間弾道弾ミサイルを「組み立て」てしまえる世の中です。少なくとも、ダイムラーが中国資本に握られることになれば、ダイムラーの培ってきた技術の流出はやむを得ないでしょう。国家も「所有権」に手を出すのは、相当面倒なことになります。

 

ゆきすぎたグローバリズムによる欧州の移民・難民問題は日増しに拡大し、緊張を高めています。日本はというと、実態はドイツやスウェーデン以上に労働移民・難民の問題を抱えているのにも関わらず、イシュー化ができない状況にあります。なにせ敗戦時の在留朝鮮人や中国人、そしてその後の文革難民や、敗戦時の在日コミュニティを頼ってくる済州島難民と、戸籍売買や背乗りで入ってくる不法移民が溢れていて、今のドイツやスウェーデンよりも、移民問題先進国のはずなのですがね。無論、グローバリゼーション被害者の会の会長もできそうなくらい、その面でも先進国なのですが…。

 

いやしかし、メルセデスが中国ブランドになるのは、ドイツ製の品質を学んでキャッチアップしようとしてきた日本としては寂しい限りです。

 

わかりやすいのでこれでも貼っておきます。

 

 

 

 

Good Luckクローバー