バザーが減った | 社会保障を考える

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かつて障害者の作業所というのが全国各地にありました。そして、それは無認可作業所とも呼ばれて、国からの報酬の対象外でした。今はハードルが下がり社会福祉法人だけでなく、民間企業も参入しています。無認可作業所時代は職員の給料など資金確保に毎年膨大なエネルギーが注がれていました。

 

漫画家・山本おさむ氏は障害者団体のバザーについて次のように述べています。作業所もおなじでした。

 

Tさんに会ったのは、両市合同で開くバザーの準備会議の場だったと思う。バザーを一回開くのがこんなに大変だとは思わなかった。品物集め、品物の保管場所・会場の確保、そのための申請手続き、募金活動の申請や許可、品物の値決めや運搬方法、車の手配、分担決め、マスコミ対策、雨天の際の順延など、準備期間中の数カ月の聞に、何度も会議を聞かなければならない。しかもみんな、仕事を持っている。時間を調整し、会議の場所を確保して集まり、深夜に及ぶことも度々であった。そんななかで、でさんは 多くの役をすすんで引き受け、テキパキと処理していった。私などが締切りに追われながらへトへトになって会議に出ると、帰りにはTさんが車で送ってくれることもあった。」(「『どんぐりの家』のデッサン」)

 

バザーは作業所がある限り続くのかと思われましたが、制度が変わりました。バザーで受けた支援は職員の中にもDNAとしても組み込まれた人と人のドラマがあったと思う。