水俣病の公式確認から60年。地元紙などでは繰り返し取り上げています。こんなコラムもありました。
「語り継ぐ人 看取る人 水俣病の教訓を未来へ 姜尚中
公害の原点とされる水俣病が 公式確認されて60年。それを機 に、熊本県水俣市立水俣病資料館もリニューアルされ、新しい 世代に水俣病を学んでもらえるような視覚に訴えた展示になり ました。資料館の中で特に心を 動かされたのは「永遠の記憶」というコーナーです。水俣病患者とその関係者のみなさんのたくさんの写真が並んでいます。そこには苦しみだけでなく、嬉しいこと、楽しいことといった人々の「日常の世界」がありました。 今回、水俣の地を訪ね歩いて 思ったのは、今後、私たちに必要なことは水俣病を抽象的な公
害として見るのではなく、一人ひとりの「人」から見ていかなければならないということでした。祖父母と両親が水俣病の認定患者の杉本肇さんは、語り部であった母の後を継ぎ、2008年から語り部の活動を始めました。その重い歴史を語る一方で、コミックバンドのようなスタイルで笑顔に繋がる活動も続けています。加藤たけ子さんは束京から水俣へ移り住み、胎児性水俣病患者と障害者の方の終生の住処「ほっとはうす」を運営しています。60年という歳月 が流れ、生き証人が人生の秋を 迎えようとしています。高齢化が進む一方で、しっかりと語り 継ごう、看取ろうとする人たち もいます。しかし、人命に対する影響を甚大なものとして捉え て、人間の生命に対する畏敬の 念に基づいて活動を行わなけれ ばいけないはずの企業は、川内原発の再稼働を見ても分かるように目先の利益だけを優先しているように思えてなりません。 胎児性水俣病を明らかにした 原田正純さんは、食物連鎖の濃 縮の過程では、哺乳動物の頂点 に立つ人間が負の果実を摂取することにならざるをえないことを指摘しています。水俣病は、食物連鎖が狂った場合、いかに人間が最終的にその負の遺産を背負わされることになるかを示しているのです。(以下略)」(AERA2016.9.26)
川内原発の再稼働は、電力会社のためにしかならないのではないか。地元は経済効果を期待しますが、一度事故が起これば住む場を失うことを福島が示しました。どう生きるかも問われているようです。
