社会が冷たくなっていく | 社会保障を考える

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「(天声人語)入居待ちの52万人 2014327日朝日新聞

 同じことのようでいて、順番しだいで印象が変わるから言葉はこわい。たとえば、人を評して「実直だが、仕事が遅い」と「仕事は遅いが、実直だ」ではずいぶん違う。いい言葉で締めてもらえば株は上がるし、悪い言葉なら逆になる▼ある意味、人の一生も似ていよう。功成り名遂げた人生でも、終わり方しだいで幸不幸の彩りは変わる。逆もまたしかり。老境に入って、ふさわしい尊厳を保つことは、人が生きるうえで疎(おろそ)かにできない▼52万人という数字が、きのうの紙面で目にとまった。特別養護老人ホームへの入居待ちのお年寄りだという。4年前より10万人増えて、より切実な「在宅で要介護3以上」は15万人を超す。困っている人が、終(つい)のすみかにたどり着けていない▼昨今は「待機」といえば児童だったが、じきに団塊世代が75歳を超えていく。家族や地域は揺らいで久しく、蓄え不足や病気など、それぞれに事情を抱えて老いを歩む。実らせてきた人生が、終幕の境遇で暗い印象に染まるなら、つらいことだ(以下略)

だが、国民の側からの怒りが出されたのだろうか。特養を増やすこともなく、軍事費は増やし、大企業の優遇政策と富裕層との格差拡大をされながら、一部の人は怒っているが、介護保険が厳しいからと新聞で仕入れた情報を鵜呑みにしているだけで良いのだろうか。弱い者に対する矜持というか、心構えがない。この国は狂っているのではないか。

さらに、放置され、国民が怒るのが生活保護問題だ。不正が全体の0.5%しかないのに、厳しい目を向けます。これほど寛容さのない国民だったのか。

「道中隆関西国際大学教授が2007年に大阪府堺市で生活保護を利用する390世帯を対象止して実施した調査では、390世帯中98世帯(二五・一%)の世帯主が生活保護世帯の出身であることがわかりました。また、世帯主の学歴別では、中卒と高校中退が390世帯中283世帯(七二・六%)を占めており、子ども時代に勉学に集中できる環境がない等の理由による低学歴が「貧困の世代間連鎖」を引き起こしていることが明らかになっています。」(「生活保護から考える」 稲葉剛 岩波新書)

安倍政権を半分の人たちが支持するという。こうした生活保護の問題を切り捨てた人たちをごまかしのアベノミクスにすがる国民が支えている。