やなせさんの願いは | 社会保障を考える

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「余録:「あんぱんが飛ぶようなくだらぬ絵本は描くな」。…

 

 「あんぱんが飛ぶようなくだらぬ絵本は描くな」。40年前、絵本「あんぱんまん」が世に出た時に面と向かってそう言われた。いや評判はさんざんで「図書館に置くべきでない」との批評もあった▲お気づき通り名前はひらがな表記、今より足の長いアンパンマンは砂漠で餓死寸前の人に自分の顔を食べさせる。さらに森で迷子になった子に残りを食べさせ、ふらふらに……そもそも当の作者自身が子どもらにはうけないと思い、元気のないあとがきを書いている▲大人たちの誰一人として予想しなかった異変は幼稚園や保育園で起こった。図書館ではいつも貸し出し中、園の絵本はたちまち読まれすぎてボロボロになり、出版社の営業に注文が殺到しだしたのだ。アンパンマンはひもじい人を救うため世界へ飛び立つことになる▲漫画家で絵本作家のやなせたかしさんが亡くなった。いや三越の包装紙のロゴを描いたデザイナー、童謡「手のひらを太陽に」の作詞家、「音楽的教養が皆無」を自称する作曲家兼歌手、そして雑誌「詩とメルヘン」の編集長にして詩人でもあったやなせさんである▲ではなぜうけないと見込んだ絵本「あんぱんまん」を描いたのか。「背景にあったのは戦争の体験、正義のスーパーマンは飢えた人を助けるのが先決だろうと痛感していたからです」。やなせさんは先の戦争で22歳で戦死した弟の思い出をことあるごとに記していた▲震災の被災地でも、それがあれば子どもらが元気づいたアンパンマンの絵本や歌だ。「なぜか。作者のぼくには分からない」というやなせさんは、今ごろ天国で神様からそのわけを聞いていよう。」(毎日新聞)

 

多くのメディアがやなせさんの死をいたんでいますがねあんぱんまんのことだけ取り上げて、戦争体験からくる平和の願望を伝えないメディアも多い。