2014年1月28日(火)の楢葉給餌報告 | なぜぼくらはおいていかれたの 

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地球はみんなの星 猫も犬も大きな動物も小さな生き物も人間も 心に感じる思いをまげず ゆうゆうとのうのうと生きる星 


この日のM製作所の高床式給餌器は、以前もそうだったがフードは少しあるのに猫の出入り口が箱の壁に押し付けられた状態になっていて入れず、食べたい一心だったのだろう、横の部分のプラスチックを必死で齧って中に入った痕跡が残っていた。
それは齧り目にこびりついた白い毛。
『ああ、かわいそうに、どんなにか早く中に入って食べたかったろう』と大急ぎでフードを補充し、建物から出たら、建物の横側の廃材が少し積んであるところで、餌をさがしている風の白茶の猫がいた。
『きっとこの子がプラスチックを懸命に齧った子だ』
身体を低くして「ねこちゃん、ごはんだよ」と呼びながら近づくと、さささささっと建物の壁の破れ目から中に逃げ込んこんだ。

こういう時の胸の痛みったらない。逃げなければすぐに食べられるのだけど、猫にとって恐怖と不信がまず一番なのだ。当然だ。想像を絶する恐怖と寂しさに襲われ続けているのだから。
一気に沈む気分になり、猫の逃げ込んだ隙間を遠目に見ると、背中と尾っぽが見える。どうやら隙間に入ったまま停止して、『一応、あいつが何者か見てやろう』と思ったかどうかは知る由もないが、くるりと体を返して顔をこちらに向けたのである。

背中を丸め、こちらを窺っている必死な目の色がわかるでしょうか。
戦場で敵の様子を窺っている鋭い目の光。

『神さま、この子を守ってやって下さい』
私もまた必死で祈りつつフードを置いてそそくさと去る。
こういう時、一分、一秒でも早く立ち去ってやるのがこの猫にしてやれる最良のことです。



写真は他にも撮りましたが、今回は、上の猫ちゃんの写真と、出発した時の時間と、楢葉を去る時の時間のわかる写真に留めます。



下は回った個所です。

楢葉給餌ポイント
1)山田岡 JA
2)山田岡 材木置き場
3)津波地区:4)5)6)7) 
8)下小塙 青いトタンの屋根納屋 
9)津波地区:神社 10)二階屋の裏手 11)角の家 12)M製作所
13)精米所
14)高架自動車道下

15) 月山寺後
▼ここで街の防犯パトロールのおじさん二人組に呼び止められる。昨年だるたにあんさんと木戸駅で給餌中近寄られ、エライ剣幕で「餌やりはするな。狸やイノシシやカラスが来る!」と暴言に近い言葉を投げつけられた人たちだ。私は忘れていたのだが、「木戸駅でわしらと喧嘩したろう!?」と言われて思い出した。

Yさんと名札をつけたおじさんは、「わしの家の床に投げ入れただろう」と頭から決めつけられる。場所を訊いてみたがやはりそこは覚えがない。
「別のお宅の床下に置いたことはあるんですが、今お聴きした場所ではないですよ」と本当のことを言う。
「お前の仲間に若い男がいるだろう」とも決めつけられるので、「私、誰も仲間にしてもらえないんです。嫌われるばっかりで」とこれも本当のことを言う。

すると、アホと思われたのか、同情なのか、次第に態度が軟化して、「詰め所に猫を保護して飼ってるんだ」、そして、「気持ちはわかるよ、でもおまえは量が多すぎ。もうちょっと少なくやってくれ」と言いつつ去っていかれた。

フム、見られていたか・・・月に二度しか来れない状況だから、必死で多めにまいているが、目立つほどの量はひかえたほうがいいのかな・・・など思案いろいろ。

16)名古谷町営住宅近く
17)山田岡八幡西(R6角辺)
18)山田岡坂下(駐車場)
19)木戸駅
20)踏切近く
21) Mスーパー
▼ボックスに近づくと箱がガタガタワサワサと動く。何かが中に入っている。
驚かせては可哀そうと静かに蓋を持ちあげると、体毛が全て抜け落ち、ガサガサの皮膚をさらした狸である。痛々しくその哀れさといったらない。
こうした野生のどうぶつに会うたびに思う。
人間に飼われていたわけではなくても、ある種の共生はできていたんだ。人間がいなくなるとこうして痛ましい姿になるほどダメージを受けている。

22) Hやさん
▼このボックスはたいていフードがあるが今回は空っぽで、フード袋を開けていると、Hやさんの夫人が寄って来られ、「太った猫がボックスの入口に行けなくて餌が食べられないみたいですよ。高床の箱を少し大きくしないと無理みたいです」と真剣に教えて下さる。

23)津波1
▼前回なくなっていたボックスが転がっていた。おおー、あったではないか!とフードをたくさん入れておく。

24)納豆
息子さんが庭で車の整備をされていた。
「猫ちゃんのごはんを持ってきましたぁ~」
「あ、どうも、よろしく」

帰り、水道から洗面器に水をいただこうと思ったが、「ここの水道を出すと家のなかに水が溢れるので閉めました、凍る間はだめみたいです」と。
 
25)鳥小屋と犬小屋(許可)
▼前回許可をいただいたので、心に余裕をもって給餌ができた。(ほっ)

26)Sさん宅犬小屋
27) スーパーNモト
28)竜田駅
29) 茶まんじゅう側杉林
30)ニュークリエイティブ
31)大栄フーズ寮近く
32) 鐘撞堂
33)運動公園向かい
34)運動公園向かいKさん
35) 高床式

36) 井出川アパ
37)倉庫裏
38)集会所
39)民家辺
40)L園
41)天岬トイレ
42)青いトタン

以上、ここに記載した個所はしっかりフードを置いてきました。

次回は二週間後の何曜日かに行きます。