ここのところ仕上げたい原稿があって、毎日明けがたにそれに向かう。
エアコンを入れない我が暮らしのなかで、わずかに涼やかな時間がこの明けがた。
起きるとまず瞑想をする。
でも雑念ばかりである。
これはこれでいいのだ。私の瞑想などただの深呼吸みたいなもんだから。
それよりもこうした明けがたの時間を持つようになって、物語を書くその物語に没頭できるようにいつの間にかなっていることを発見して、ヒュイヒュイの気分である。
認知症という症状であった夫との暮らしの間、こうした気分を持つことはなかった。
過ぎてしまえばどんな日々も軽やかになるというけれど、一人旅立った夫を見送って三年半、その時間がこうしたヒュイヒュイをもたらしてくれているのだろうか。
ヒュイヒュイ ヒュイヒュイ・・・出来ればもっともっとヒュイヒュイと。