A席12000円。
B席 5000円。

で、わたし、立ち見2500円。

B席がいっぱいだと、
立ち見を作ってくれるのね。
初めて知りました。
“指定立ち見”
最後列の後ろにひとつのスペースを指定して、
場所が決まったチケットを発券してくれる。

見物=眠気との戦いでもあるわたしなので、
立ち見は、寝ようがなくて、いい、つーこともある。

去年の11月、ティアラ江東で“再会”してから、
石川さゆりを意識しだしてた。

そこで言ってたのか、
明治座で『長崎ぶらぶら節』をやるのは知っていた。
その後、NHKの昼の生トーク番組に出て、
スッピン(っぽい)顔での、三味線の練習風景や、
相手役の近藤正臣のスケベッたらしいコメント
など見て、
これは、見にいかなきゃなあと思ってた。

新聞の劇評にもとりあげられ、評判いい。
行こう行こうと思いつつ遅くなってしまった。

とても、よかった。

お芝居が
『長崎ぶらぶら節』。
一気に主人公愛八の人生を見せた。
石川さゆり、かわいくって、きれいで、かっこよかった。
三味線も自然に弾いていて、たいしたものでした。

オン ステージ
11月のティアラ江東より、
歌うまかった。
言葉がはっきり聞こえたのは、小屋の違いか。
毎日客前で歌ってるのがいいのか。
歌から、情感がよく伝わってきた。

ここで、言うのも何なのですが。
わたしも素人コントで、歌いまして、
情感みたいなのが、何とかなればなあ、
あだやおろそかに歌っちゃあ、申し訳ないなあ、
と思いました。

といって、
あたしが、むやみに情感出したら、
聞いてる人が余計迷惑でしょうけど。

情感といえば、
僕と石川さゆりの恋の話をしておこう。

この稿の冒頭で再会したと書いた。
その時は、歌手と観客でした。
が、その前は・・・。

そーとー前、年末だった。
僕は大学生、
アルバイトで、
フジテレビの『パンチDE選挙』という特番に、
にぎやかしの大学生として、出た。
衆議院選挙速報を、
当時の人気番組『パンチDEデート』の雰囲気で製作したんだろう。
司会は、桂三枝と西川きよし。

僕は、『田辺誠』と書かれたプラカードを持たされた。
社会党の東北の代議士だ。
後、書記長になる。
当選が決まると、
プラカードもって入場する。(じゃないかな?)
そんなのが何百人といるわけだ。
当選が決まるまで待つしかない。

何人か、さして売れてないアイドル女子タレントも
プラカード持ってた。
石川さゆりもそのひとり。
『日本社会党』って書いてあった可能性が高いね。
僕はその後をついて入場したんだろうな。

とゆーことで、
アイドルと大学生たちが
同じ空間で待つことになる。
さゆりさんは気さくで、
話をちょぼちょぼしてくれた。
『津軽海峡冬景色』出したばっかりなんです、よろしく。
なんて言ってた気がする。

たしか、僕のいっこ下だ。
うちの近所の大泉高校の夜学かなんかに行ってたんじゃないかな。
『伊豆の踊り子』じゃ、ひどい役だたよなあ。
なんて、思ってたら、
突然、
石川さゆりが、
僕に、

セクシャルハラスメント

を働いた。

ちょっと違うか。

ドメスティックバイオレンス

を敢行した。

ちょっと違うか。

乙女の恋のアタック作戦その1♡

を仕掛けてきた。

それだ!

どーゆーことかとゆーと、
石川さゆりが、
自分のプラカードを、
ぼくのプラカードにぶつけてきたんだ。

「まことちゃん♡」
と言いながら。

当時『まことちゃん』というマンガがはやってて、
僕のプラカード『田辺誠』だったんで。
ウメズ先生ありがとうございました。

ああ、アイドル歌手から、
チョッカイ出されるなんて!
あのころのオレって、
輝いてたなあ。
今じゃ、せいぜい、
女浪曲師から
セッキョウ喰らうくらいだ。

その後だ。

誰かが、
正月のスケジュール訊いた。
空いてるみたいだ。
まだ、津軽海峡がはやってない。

僕は、
言った。

「1月2日、
 後楽園ホールで、
 国際プロレスの興行あるんですけど、
 見にいきませんか?」

当時、正月のプロレス興行というのは珍しく、
来春、国際プロレスがやるというのがニュースになっていた。

で、行きまして、
付き合いだしました、とさ。





と、いくわけもなく、
ま、行ってないのだから、
断られたのだろう。

ま、
トーゼン行くはずもないと誘ったのです。
が、
あの時、彼女に勇気があれば、

今頃、彼女、
似顔絵コントの相方
やれたのにね。