女と弱は、くっついて一文字です。
お江戸日本橋亭。
女流講談の最高峰二人の会。
長田衛さんプロデュース。
わたしがチラシかきました。
すいてるかと思ったら、満員。

神田織音 『三方が原軍記』
 きりっとした美人。
 しゅぴぴぴぴーと、戦争の話を聞かせていただきました。
 後ろで立ち見。

宝井馬琴 『三方目出鯛(さんぼうめでたい)』
 最前列ど真ん中へ移動。
 最高のポジションなれど、わたしの居眠りが心配。
 それは杞憂に終わり、終演までバッチリ聞かせていただきました。 
 玉川美穂子さんの浪曲で一度聞いたことのある話。
 楽しく気持ちのいい一席。
 品のいい、この方ならではのくすぐりが随所にあり、あきさせない。
 ばしばし叩く音が、効くっす。

座談会
 神田翠月、宝井琴嶺、おさだまもる。
 お二方が何故、講談を始めたかよくわかった。
 人柄も伝わってきた。
 初心者の客には、芸の理解の助けになり、有効だ。
 おさださんのおさえた聞き出しっぷりは、見事。
 さすがベテラン編集者だ。  
 自分の会でも、トリでインタビューやればいいのに。

宝井琴嶺 『源平盛衰記より 藤戸の渡し』
 ディアハンターでした。
 親子の日常生活から、突然、残酷な戦争の場面に巻き込まれる。
 日常の描写がずっと頭に残り、後の戦の話に厚みが出る。
 新劇出身らしいメリハリのきいた人物造形。
 わかりやすくて結構でした。
 この方の考え(平和を願う)も、伝わってきました。

神田翠月 『三味線やくざ』
 出てくる奴がみんなかっこいい。荒っぽい。だから気持ちいい。
 演者が登場人物にほれているのが、におってくる。
 また、この翠月さん、たいへん艶っぽい。 
 いい話として、ずっと頭に残りそうだ。
 
打ち上げ。いつもの「萬丸(まんまる)」。
いつものように、長田さんが司会して楽しく飲む。

帰り、半蔵門線錦糸町駅を出ると、
リィビンでボージョレ・ヌーボー解禁のカウントダウンが
始まろうとしている。
とーぜん参加。
ただヌーボーをしこたま飲む。
ニジョウカイのあとにボージョレカイだ。
出来のいい、奇跡のヌーボーとやらを買って帰る。
酔っ払ったヨーだ。
円熟の芸とフレッシュな新酒に。
うまいこと思いついたので、つい書いちゃった。
うちに帰ったら、水色のコートの一部がパープルになっていた。
ワインこぼしたよーだ。
講談で感動があふれたから、ワインもあふれたのだろう。
って、しつこい?