欲求の赴くままに…(1日目) | ちょんまげインプの部屋

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いらっしゃいませ、変態(いろんな意味で)の部屋へ。
これであなたも立派な変態。
今後ともどうぞよろしくっす。

(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

もし仮に首都圏から北海道に行くとしたら。

昔なら北海道ワイド周遊券とかがあったので、夜行や特急で向かったものですが、新幹線網の発達は周遊券という存在そのものを駆逐してしまいました。

で、函館まで新幹線が延伸したからと、今どき札幌まで行くのに新幹線を使うなんてのはもうあほの所業です。

値段はほとんど同じで激安航空を使えば飛行機のほうが安いし、時間は飛行機のほうが鉄路よりはるかに少ない。

で、今回ちょっとした用事が札幌で発生してしまったので考えました。

往復航空機で、現地ではやはり鉄路にも挨拶したい、じゃあどこの空港に行ってどこの空港から帰ってこようか・・・などと数か月もああでもないこうでもないと脳内をこねくり回したのですが、千歳以外の便は極端に少なく、またJRも都市間距離がありすぎてうまくつなげない。

というわけで、個人的には存在価値を見出せない新幹線で向かい、帰りは飛行機というプランにしたのでした。

 

 

1日目は金曜日。

本当は時間を有効に使うために早朝に家を出たいのですが、小学生の子を起こして学校に行かせなければならない(ヨメは早く出勤)ため、家を出るのは朝の早くない時間帯。

通勤ラッシュの過ぎた横浜。

もう・・・クッソ暑い。

7月アタマというのに30度超えで、ここまでですでに汗グショ。

おまけに東海道線や京浜東北がモロモロで遅延したりして、幸いこの時には復旧してましたが、少し焦りました。

東京。

始発駅で優等列車なのに旅情を味わう暇も与えてもらえず、車内清掃が済んでドアが開いて席に座ったらもう出発。

嬉しいのは、車販でホットコーヒーが買えたこと。

東海道のグリーン車ではコロナ禍では缶コーヒーになってましたから。

さらに嬉しいのは、隣が女子だったこと。

変な意味でなく、巨漢のおっさんとかタバコ臭いおっさんだったら物理的にヤだなと(何度も経験あり)。

さて、はやぶさは大宮をすぎると新幹線だったことを思い出したかのようにかっ飛ばします。

福島県に入ればもう東北。

一気に空が高くなったように感じます。

あくび一つ分くらいの1時間半でもう仙台。

隣の女子は降りていき、その後は空席だったので広々。

同じ東北といっても長いので、そのうち曇ってきたり。

そして盛岡へ。

思えば十数年前に来た時は、ここから在来線の特急に乗り替えたものです。

しかし盛岡、けっこうな都市で新幹線から降りるお客もたくさんいたのに、何面もあるホームには列車が1本もいません。

停まっていたのは貨物列車だけ。

で、発車して見える郊外のパチンコ屋の駐車場は車であふれていました。

これが地方都市の現実か・・・。

 

車内の楽しみは、お弁当。

今はが乗客はほとんど駅で弁当を買ってくるため、車販から弁当が消えました。

まあそれは鶏が先か卵が先かの論争と同じで、車販があるかないか分からない、あっても買えるかどうかわからない、だから事前に買っておく…というのは人間として自然な思考なので、仕方ないでしょう。

ああ、昔は食堂車があったのに…。

ワシは大好き&コスパ最強の崎陽軒の季節替わり弁当を横浜駅で買ってあります。

で、車販でビールを買おうとするも、一向に来ません。

仙台までは何度も通ってたし、盛岡以降は車販のアナウンスがあったのに、それでも一向にきてくれません。

12時から1時間半待っても来なかったので、ビールは諦めてお茶にしました。

あーおいちい。

これで780円ですからね、東京駅で買うと軒並み千円以上。

盛岡を過ぎるとトンネルと壁が多くなり、景色があまり見られなくなります。

そうこうするうち青函トンネルを抜け、北海道へ。

新幹線だと「青函トンネルか!」という感慨がまるで湧きません。

北海道もまだこの辺りじゃあ東北みたいな感じ。

そして終点、初めての新函館北斗に到着。

大宮を出てから、お客は仙台で一気に降り、ついで盛岡で降り、青森ではそんなに降りず、函館ではまあまあ多かったものの、それでもこんなもんか~という程度。

ワシは札幌までの通しの切符なのでいったん改札を出て、函館までの切符を買い直し、快速に乗り換え。

札幌近郊で見かける3両編成の電車で一気に函館に到着。

しかし3両しかないのに立ち客も出ませんでした。

函館駅、10年ぶりかあ・・・。

函館は、駅舎も周辺も新しく綺麗になっていますが、人があんまりおらず、活気のようなものがぜんぜんありません。

優等列車はもう北斗だけ、しかも振り子をやめた普通の特急。

当然連絡船もなく、新幹線も来ず、これからどんどん寂れていくのでしょうか…。

 

一度ビジホにチェックインし、荷物を置きます。

向かったのは、15年振りの摩周丸。

1人ですが2人分の支払いをして、些少ながら寄付を。

「サロン海峡」の看板。

船内にあった喫茶店の看板です。

中学生の時にクリームソーダを飲みました。

マス席の再現。

なんか座席だと酔う気がして、毎回マス席でした。

こっちは普通+グリーン座席の再現。

ビデオについつい見入ってしまいました。

資料で置いてあった、洞爺丸事件を報じた昭和29年の新聞。

何がすごいって、1面トップにでかでかと遺体の写真を載せてるんです。

キャプションも「七重浜に集められた洞爺丸乗客の死体」ってアンタ、直球すぎません?

まあ、昔はこうだったんですね・・・。

しかしこの洞爺丸の遭難・座礁転覆事故は本当に痛ましい。

大揺れでそのうち電気が消え、暗闇の中でひっくり返った船室にいた千名を超える人々の恐怖は、想像すらできません。

1,100名くらいが亡くなってしまったんだったか…。

他にも青函連絡船の貨物専用船も沈没して船員90名全員が殉職とか。

今は個人でも雨雲レーダーが確認できる時代で、TVのニュースでちょっと気象予報士の言ってたことが外れたからと文句を言う人ばかりですが、それがどんなに贅沢で数々の歴史と人々の犠牲の上に成り立っているのか考えたほうがいいなと。

いつまでもいたかったものの閉館時間が迫ってきたので退船。

いつ見てもかっこいいなあ・・・。

さようなら…。

 

で、今度は函館山に向かいます。

この坂が地味にキツい。

おまけに30度近くの暑さ。

ロープウェイで山頂駅に行き、すぐに向かったのは展望レストラン。

一人でどうかなと思いましたが、まだ明るい時間だったせいかお客もそれほど多くはなく、予約席でない最後の窓際の席に通してくれました。

早速ビールで乾杯。

一人で4人分の席に座らせてもらって、後から来たグループが窓際でない所に通されてるので、(自分としては)豪勢に。

他にもおつまみなどを行ったりして、これならお店としても文句はないでしょう。

後から来る方々は誰も彼も一人でテーブルを占拠してるワシのほうをチラチラ見ながら奥のテーブルに案内されていきます。

でもワシの前にいるおじさんは、コーヒーとかで伸ばし伸ばしずっと窓際に座ってるんだからいいじゃないですか(笑)

以外だったのが、最後に注文したコーヒー。

うまい!

もちろんコーヒーなんてその人の好みなので、高ければ絶対にうまいとかいうわけではないのですが、料理注文したら200円と安いしワシ好みの苦み強め・酸味弱め・香り多め、にモロに合致。

お勘定の時に店員さんにコーヒーうまかったっすとちょっと失礼なことを言った所、なんでも地元のナントカとかいうコーヒー屋さんの豆を仕入れてるんですと。

 

展望台にあがってみます。

これは青森方面。

しかし函館方面はびっちりと人垣が。

しかもみんな暗くなるをを待ってるのか、一向に動きません。

そして下からは5分間隔でロープウェーが到着し、ドバドバとお客を降ろしてきます。

こりゃ何も見えないし危険だなと判断し、降りることにしました。

ロープウェー乗り場付近から。

思えば函館の夜景が綺麗なのは、街がそれほど栄えてないからでしょう。

だから道路の灯りが目立って、模様のように目に映るのではないかと。

函館山の喧騒とは打って変わって下界はひっそり。

市電は混んでました。

しかし市電も、乗るのが後方のドア、降りるのが前方のドアとバスと同じなのですが、利用者が多く2両編成とかなので、とにかく乗降に時間がかかる。

ただ、京急と同じパスモが使えたのはマル。

ホテルに戻ったらまだ9時で、ホントはラーメンでも食べに行こうかと思ったのですが、TVをつけると風の谷のナウシカがやってる。

それでついつい見入ってしまい、夜のいかがわしいお店に行くのも断念したのでした・・・。

 

(2日目に続く)