以前、景気と太陽活動の話を紹介したけど、太陽の活動状態についてエピソードを書き忘れたので、今日はその話‥‥


太陽活動の周期が11年で、その極小期が2008年であったことを前のブログ(マクロ経済指標と市場動向の話③ )で書いた。実は、昨年の極小期は近年ではまれにみる(太陽黒点が少ないという意味で)太陽活動の低迷期で、太陽の明度も減少していたことはあまり知られていない。しかも、今年に入ってからも、太陽活動の活発化が見られず、太陽活動がこのまま停滞期に入るのではないかと懸念する声があったのだ。

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「ベルギーの太陽黒点数データセンターによると、黒点の多さを表す「相対数」は08年が2.9で、過去100年で1913年の1.4に次ぐ2番目の少なさだった。今年はさらに減り、4月までの暫定値が1.2と、1810年の0.0以来の低水準に落ち込んだ。」とのこと。

http://www.dailytech.com/Sun+Makes+History+First+Spotless+Month+in+a+Century/article12823.htm


↓前回のブログ再掲下記URLの図2を参照(2002年までのデータしかないが)

http://www.nagaitosiya.com/a/sunspot.html


こうした時期は過去にもあって、科学者の中にはヨーロッパや北アメリカでおよそ1300年から1850年まで続いたマウンダー小氷期(太陽黒点が観測されないほぼゼロの期間はおよそ1650年から1700年頃まで続いた)を思い起こす者もいた。このときには、グリーンランドへ行く経路はほとんどが氷によって閉ざされ、オランダの運河は常に凍り付いていた。アルプスの氷河は周辺の村々を飲み込み、海では海氷があまりにも増加したため、1695年当時はアイスランドの周囲に開水面が存在していなかった。また、ロンドンのテムズ川は冬季には完全に凍結し、川面でスケートを楽しむ人々の絵が現在も残っている。そして、現在の太陽はこの数十年間で最も活動が停滞しており、過去100年間で最も明度の低い状態にあるとのこと。


このため、CO2などの温室ガスによる温暖化効果を心配するよりも、今後、太陽活動が活発化しなければ、小氷期に入るのではないかということを真剣に心配する科学者もいたのだ。幸いにして、2009年4月以降、黒点数はすこしずつ増加している。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=88791272&expand


ただし、太陽活動低迷による地球の冷却効果ははるかに小さいようで、やはり温室ガスによる温暖化のほうが心配らしい。現在のところ、太陽活動は(太陽黒点の観測数という意味で)活発化し、2013年5月に極大化すると予測されている。ただし、活発化のレベルは1920年代以降では最も低い水準になるらしい。
http://swc.nict.go.jp/sunspot/


ウ~ン、温暖化は困るので、小氷期に向かったほうがよかったかも知れないが、それで経済がさらに低迷したらもっと困る。温暖化対策の経済効果を期待するしかないか。(-"-;)