やっと小説再開いたしました。

いつまでもつかわかりませんが

とにかくエイッ!!( ・O・)ノ⌒●~*


よろしくお願いいたします。



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登場する人物、団体、名称はすべて架空のものです。

この小説は

”Obsessed with you”、

”Forbidden Affection”との

連動小説となっています。


初めてごらんになる方、お読み直しなさりたい方は

 小説インデックス

をご覧ください







1年の中で一番慌ただしい月、12月。


その月の下旬ともなれば


世間の忙しさはこの上ない。



この時期、テレビでもどこでも盛んにこの一年を振り返っている。



俺も多分にもれず


自分の1年を振り返っていた。




色々あった出来事の中で


一番の重大事件と言えば


あの日だろう。


LL教室で


彼女に自分の気持ちを告げた日だ。



あの日から


早くも3か月が経とうとしていた。




あの時の事を思い返す度に


我ながら、


よくもあんな大胆なことしたもんだと


少し呆れる。






振り返ると今までの俺の人生、


何かに対して反発したり


社会のモラルを破った事などなかった。


所謂『いい子』タイプだったのだ。





そんな俺は、


だから幾ら教え子に夢中だったとしても


実際にどうやったら彼女と交際できるかなど


そんな大それた事は毛頭も考えた事はなかった。


(いや、毛頭位はあったかもしれないが、)




だが、あの日あの時、


彼女は俺の、


鋼のよう重たく強靭な理性を


容易く、まるで指先で弾き飛ばす様に


一瞬でどこかにやってしまったのだ。



そしてその瞬間、俺たちは、


男女の世界では決して交わることが許されない、


教師と教え子というその領域から一歩飛び出した。





昼間の校内だと言うにも関わらず


俺は教室の隅で


彼女の小さく柔らかい体を


両腕で抱き締めながら、


その甘い唇に酔いしれた。




正に忘我の境地だった。


あの時俺は教師である事をすっかり忘れ


できればそのまま、甘い蜜の底に


自分の身を沈めていたいとまで感じた。






だけれども、そんな甘い気持ちも


遠慮気味に重なっていた


お互いの唇が離れると


突如気恥ずさに変わったのを覚えている。




それは九条も同じだったようで


彼女の頬はほんのりと色づき、


顔をあげることすらできずにいた。




九条の様な10代の女の子が恥ずかしがる様子は


見ていて可愛らしいが


30過ぎたオヤジがそんなだと


かなり気色悪い、


そうは分かっているものの


まるで思春期の男の様に


隠す事が出来ない程どうしようもなく恥ずかしくなった。



そうなってしまったのは


彼女とのそれまでの距離が


突然、不自然なまでに近づいたせいかもしれない。




お陰で、俺は不意に我に返った。


今が授業の真っ最中であるということを思い出したのだ。



今までそれを忘れていたのは


周りの音が全く入ってこない


防音設備が施された教室の中にいたせいもあるかもしれない。




兎に角、2限目の残りの時間を


まさか2人きりで過ごすわけにもいかず


彼女は保健室に行ってうまくごまかすと言うと


立ち上がり、俺もそれに促されるように


腰を上げた。




「変な嘘をつかせてごめん」



立ち上がった彼女に俺がそう謝ると



九条は


「うぅん・・・自分でここに来たんだもん。」



と恥ずかしそうな、申し訳なさそうな顔をしてそう言った。





そして彼女は


「じゃぁ・・・また・・・ね?」


と呟く様に言った後、


教室の扉をほんの少し開け、


その隙間から挙動不審な感じで外を見回すと


更に扉を大きく開けて


こっそりとした足取りで教室を出ようとした。



その時だった。



彼女はアッと言って俺を振り返り、


そばに戻ってきた。


「?」




続く