更けゆく夜(よ)・静か
瀬を越えた家並・静か
忙(せわ)しかる日々をなぜ忙(せわ)しく人の中で
遅れぬよに競うよに
居並ぶ人・人・人の列は楽しんでいるのか
そうせねば生き後(おく)れるのか
どこか
焦るように
街道を流れる赤・白・黄の光列は愉しんでいるのか
渡る風
大気の声色
傾けるグラスの音・静か
king!と響く
或いはkain!でもある
いつもの夜更けのように
そばにいるべき人がいて
今年もよろしくと触れる口唇の変わらぬ柔らかさを愛でる夜
それだけで充たされる
厳かな心持に 連なるは祝福の音色
新たなる年に奏でるのは
ゲン担ぎにも似た願いであり欲でもあるが
いつもの夜更けのような
そばにいるべき人がいる夜に
窓辺に肘をつき紫煙を燻らせながら僕が大気に吹き込むコトバだけは
掻き消させたりしない
紛らせてしまったりしない
瀬を越える刻(とき)・静か
更けゆく夜・静か
滾る胸・静か
明日を視る眼・静か