底
岩だらけの険しい斜面を
転がるように落ちていく
或いは転げ落ちていく
フタをしてあった古井戸
足を踏み外すように落ちていく
踏み抜いて落ちていく
数え切れない傷
声も出ない
本当に底まで辿りついたら
誰も声すら出せない
『最悪』
と言えるならまだ救われる余地がある
『最低』
とノタマエル場所より低い場所はまだある
本当に落ちるところまで落ちたら
もう声すら出せない
『…』
無言で、考えることはひとつ
越えたくなる一条の線だけが、はっきりと見える
或いは見せつけられる
ふと見上げてみた
谷底から
古井戸の底から
見上げてみた
其処には空しかなかった
最悪を過ぎれば良くなるしかない
最低を過ぎれば上がるしかない
そう思った
JUKEの春
蘇った
底に空が
其処に空が
僕は。