はっきり言って

彼のことは薫さんが話してくれることしか知らなかった。



彼が(当時)22歳で、

語学が堪能

靴屋さんの周りのお店の人達と仲良し


あたしの知ってることは

これくらいだったように思う。



薫さんは彼と付き合いが長そうだったけど、、

特に彼女にきいたりもしなかった。









彼は

いつもあたしより先に仕事を終えて

店を閉めて帰っていた。



たまに

アクセサリー屋さんのお姉さんと

一緒に帰ってたから


「あの2人付き合ってるのかな~キラキラ


な~んて勝手にキャッキャッしてた。










同じ店に勤めてた同僚の

雪さん(男)は彼と仕事中のヒマな時

よく喋ってたけど、


あたしは

売上悪くて必至だったから

彼と長話なんかしなかった。



だから、

あたしにとって彼は

未知数だった。



傍から見て分かる

人懐っこさ以外は


よくは知らない仕事仲間。










よくある関係だった。






君と初めて出会った日のことは

もう曖昧だ。



その頃

君のことをあまり意識していなかったこともあるし、


新しい土地での初めての仕事

自分のことで手一杯だった。







あたしが勤め始めたコーヒー屋さん、

そこはデパートの中みたいにお店が連なっていた。


お店の目の前には

靴屋さんがあって、週に2回だけ

君はそこで働いてた。



今でも鮮明に覚えているのは、

君から「お疲れ様デシタ」って言ってくれたこと。


あたしはお店の店長から

「周りの店の子達とあんまり話さないように」

って言われてたから、ご近所さんとの距離を量りあぐねていた。


でも、

君が笑顔で言ってくれたから

「いい人だな~」って思ってた。








「お疲れ様です」


「お疲れ様でした」



何度もこの簡素なやりとりをした。










そのうち

「お腹空いた?」って

仕事中にお菓子をくれるようになった。


あたしがクソ真面目に働いてたから

あんまり話さなかった。


ある日、

お店がとてもヒマで

珍しいことにほんの少し話してた。



そしたら突然会話に

Kayちゃん」って

出てきた。


私は彼のこと

知ってた。


職場の先輩の薫さん(カオル)が

彼のこと話してたから。



でも

あたしは名前を話したことなんか

なかった。











「なんで名前知ってるの?」



『カオルちゃんに聞いたんだ』




少しびっくりした。



「そっか。あなたは__だよね?」



『あれ?なんで知ってるの?』



「カオルさんが言ってたw」












バイトの入れ替わりが激しいお店だったから、

新人のあたしの名前なんて覚えてくれないかなと思ってた。



他の新人さんとも仲良くなっていたりして



「人懐っこい人。」



それがその人の印象になった。










好きでもない男性からのキスを拒絶する一言9パターン
飲み会などでお酒が入り大胆になった男性からキスを迫られた経験がある方もいらっしゃるのでは? 好きな男..........≪続きを読む≫

【1】「無理!」と言って思いっきり拒絶する。

「好きじゃない相手からだとキモいとしか思えないので」(20代女性)という意見のように、思いっきり拒絶すれば、男性もあきらめてくれるでしょう。ただし、その男性との関係は気まずくなるので、その場を取りつくろう話力が必要となります。




「無理。無理だよ。したら後悔すると思う」




バス亭で、

あたしが帰るバスを一緒に待っててくれた時に,

隼太さんに言った。







最初は相手も

「Can I kiss you?」なんて

冗談交じりに言っていて


あたしも

「んー…。Noかなぁ…」

なんて言ってた。





でも、相手がしつこく迫ってきた。


最初はキスくらいって思わなかったわけじゃない。


相手をお兄さんみたいに信頼していたし、


キスから始まることだってあると思うし、

あってもいいのだと思っていたのに。





顎を持たれて

顔が近づいてきた時、


頭より体全身が拒否した。




ここでキスしなくて後悔するとは

到底思えなかったけど、


ここで流されたら絶対後悔する。






相手の男性にしてみたら、

なんて酷い言葉だろう。


でも、

何を言っても引き下がらなかった相手に

遠回しなことを言ってもしょうがない。


正直になるしか、青かったあたしには

道がなかった。






ある意味で

若気の至り。 なんて。










(キスを拒むあたしに相手は


「外国じゃ、キスなんて挨拶だよ」と。


それじゃあ、女は落ちないよ。って後になって心の中で突っ込んだ)