はっきり言って
彼のことは薫さんが話してくれることしか知らなかった。
彼が(当時)22歳で、
語学が堪能
靴屋さんの周りのお店の人達と仲良し
あたしの知ってることは
これくらいだったように思う。
薫さんは彼と付き合いが長そうだったけど、、
特に彼女にきいたりもしなかった。
彼は
いつもあたしより先に仕事を終えて
店を閉めて帰っていた。
たまに
アクセサリー屋さんのお姉さんと
一緒に帰ってたから
「あの2人付き合ってるのかな~」
な~んて勝手にキャッキャッしてた。
同じ店に勤めてた同僚の
雪さん(男)は彼と仕事中のヒマな時
よく喋ってたけど、
あたしは
売上悪くて必至だったから
彼と長話なんかしなかった。
だから、
あたしにとって彼は
未知数だった。
傍から見て分かる
人懐っこさ以外は
よくは知らない仕事仲間。
よくある関係だった。