１９７０年代後半の２年ほどテレビで見ない日はなかったピンク・レディー。その最大のヒット曲「ＵＦＯ」について、当時国内のテレビで放送され、現在ＤＶＤで観ることが出来る歌唱映像３２件を、放送日順に鑑賞している。今回は、７８年１月後半に放送された３件を取り上げる。
７８年１月２６日放送「ザ・ベストテン」（「Pink Lady Chronicle TBS Special Edition」所収）
過去２回の記事はこちら↓
【８】７８年１月２３日（月）放送「夜のヒットスタジオ」
７８年１月２３日放送「夜のヒットスタジオ」（「ピンク・レディー IN 夜のヒットスタジオ〜フジテレビ秘蔵映像集〜」所収）
「夜ヒット」で「ＵＦＯ」を歌うのは、前年１２月以来の２回目。この回についても、以前の記事で取り上げていて、時々ミーちゃんケイちゃんの姿が見えなくなるくらいの大量のスモークを焚いている上、カメラも凝り過ぎて天井とか撮ってるし、せっかく２人が振付を頑張ってるんだからもうちょっとふつうに撮ってくださいよ、という趣旨のことを書いている。まあ生放送なので、多少のハプニングや計算違いはあったのかもしれない。
衣装はシルバーで、前回出演の時には着けていたアームカバーはしていない。フルコーラスで３分１６秒、オリジナルのレコード音源よりも若干長い。いつもテレビではテンポを上げて演奏するのが定石だったが、ほんの僅かとはいえ、テンポを下げたのは珍しい。
【９】７８年１月２６日（木）放送「ザ・ベストテン」
７８年１月２６日放送「ザ・ベストテン」（「Pink Lady Chronicle TBS Special Edition」所収）
新番組「ザ・ベストテン」の第２回目も、ランキング１位は「ＵＦＯ」だった。ＤＶＤには登場シーンも収録されているが、ミラーゲートの回転ドアの前に既に２人が並んでいて、あろうことか、カメラの前をスタッフが３人も通り過ぎる。まだ２回目の生放送とあって、かなりスタジオがバタバタしていた様子が窺える。２人はステップを下りて、司会の黒柳徹子さんの方にお辞儀をするのだが、徹子さん、すかさず手で、歌のセットへ急ぐように２人を促す。１位は出番が最後になるが、生放送で時間が相当押していたのだろう。
イントロが始まってから、珍しく徹子さんが影ナレを入れている。「ピンク・レディー、去年のシングル盤の売れ行き３６１万枚、金額にすると２１億７千万円で、レコード業界でもトップの記録でございます」というもの。多分この情報は歌の前のインタビュー用に準備していたもので、時間がなくてインタビューがカットになり、咄嗟に影ナレで紹介したのではないだろうか。
さて、この映像で特筆すべきは２人の衣装である。月曜の「夜ヒット」ではシルバーだったのだが、この時はゴールドの衣装になっている。ゴールド衣装は、ＤＶＤで視聴できる公式映像に限ると「初お目見え」ということになる。右腕のアームカバーが復活、そして髪飾りのアンテナまたは触角風の突起が、より長くて目立つものになっている。
セットは、１コーラス目は楽団がバックにいる決まりの歌セットで歌っているが、途中でカメラが回り込むと、下手に入場用のミラーゲートのセットが映り込む。あれ、メインのソファーのセットはどこに行ったのか？何しろまだ２回目の放送なので、いろいろと試行錯誤していたのだろうか。間奏で２人の後ろにビニールのような幕が下りてきて、２コーラス目からはこの幕を風で靡かせ、照明を変化させるなどして、ビジュアルを工夫。ゴールドの衣装がキラキラ光ってきらびやかである。フルコーラスで２分４３秒。
【１０】７８年１月２８日（土）放送「８時だョ！全員集合」
７８年１月２６日放送「８時だョ！全員集合」（「Pink Lady Chronicle TBS Special Edition」所収）
ご存知、ザ・ドリフターズによる昭和の超人気番組。土曜の夜８時からの公開生放送で、この日の会場は埼玉県の入間市民会館だったようだ。お決まりの歌セットで、岡本章生とゲイスターズをバックに「ＵＦＯ」を披露する２人。ゴールドの衣装は２日前の「ザ・ベストテン」と同じものである。ドリフのコントがメインの番組だったが、この時は３分割画面を使うなど、人気絶頂のピンク・レディーとあって、歌のコーナーもそれなりに映像に力を入れていたようだ。フルコーラスで２分３８秒。（続く）
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