「明日、よろしくお願いします。
人数ひとり減ってしまいました」
このメールが始まりでした
え?明日?
確かこのお客様は来月のはず
ご予約時にいただいた
メールを確認して
血の気が引いていく私
「来週○日」を
「来月○日」と
読み違えていたことが発覚
どうしよう・・・
明日は既に
かなりご予約が入っている
しかしながら、
こちらのお客様も
お祝いの大切な会
しかも10名を超える大所帯
前日になって
ご用意出来ていないとは
口が裂けても言えない・・・
ドキドキドキドキ
どんどん鼓動が強くなり
手足が冷たくなる
考えて…考えて…
かなりの時間を要し
ひねり出した案は
先約のお客様に
ご迷惑が
かかってしまう策
でも、これしかない・・・
3組のお客様へ
申し訳ない気持ちいっぱいで
お電話にてお伺い、
お叱りは覚悟の上
受話器が重い…
まず、個室のご予約だった
お客様にカウンター席へ
ご移動いただけるかのご依頼
「いいですよ、
気楽な仲間との会だから」
との優しいお言葉、
涙が出そうになる
次は5時からのお客様に
3時間にてお席を
空けていただけないか
というご依頼
なに?ダブルブッキング?
大変だねぇ
いいよ、いいよ
3時間あれば十分だよ
お酒をサービスしてくれるの?
有難いねぇ
こちらも快諾してくださった
縮みきった心に
お優しさが沁みる・・・
そして、最後のお客様
ご予約は20時からだったので
それより前にご来店いただくと
お待たせしてしまう事をご説明
こちらも
「分かりました」とのお返事
奇跡のようにスムーズに
願っていた通りになりました
いや、奇跡じゃない
お客様のお優しさのお陰
あとは食材、10名分の追加
主人に「なんとかなる?」と
恐る恐る聞いてみると
「なんとかしなきゃダメでしょ」と
心強い言葉
ありがとう・・・
ふーっ、これでなんとか
ご案内が出来る
あ!スタッフも足りない!
いつも頼りにしてる女性に
前日にすみません、と
助けを求めましたら
「あらら、私で良ければ」
との有難いお返事
わーん、整ったぁ
やっと呼吸が出来る
ひー、ふー、
当日を迎え、
ご迷惑をおかけした皆様に
頭を下げながら
小さくなって仕事を
していましたが
皆さんお優しくて
カウンター席でも
楽しそうにお食事してくださり、
お約束通り3時間で
お開きにしてくださり、
20時きっかりに
ご来店くださり、
お祝いの席も
無事に終わり、
誰にも咎められず
誰にも叱られず
一日が終わったとき
身体のチカラが抜けました
全ての方々に
感謝の気持ちが
あふれます
神様、私は
素晴らしい方々に
囲まれています
ありがとうございます
スタッフがポツリ
「これ当日に発覚しなくて
本当に良かったですよね」
おっしゃる通り…
お一人減ったご連絡が
私を助けてくれたのです
気を引き締めよ、と
天から声が
聞こえた気がしました
はい、
もう二度と
こんな事があってはならない
心から反省です・・・