銀座「割烹きむら」女将のブログ いらっしゃいませ
日が落ちるのが早くなり
いよいよ年末モード
有難いことに
ご予約のお電話も増えてきました
さて、先日
貸切30名様という大宴会が
ありました

豊洲市場の
とある業界ご一行様、
豊洲にはたくさんの
組合(業界)があります
大物業界(鮪・カジキ等)
鮮魚業界
北洋物業界(鮭鱒)
塩干魚業界
佃和会
海老協会
合物業界(加工品等)
などなど
この度、
廃業を決められた方がいて
皆様で送別されるとのこと
こんなに大人数を
お迎えするのは
めったにないこと
こちらの団体様は
市場が築地にあった頃
よく使ってくださったものの
豊洲に移られたり
コロナがあったりで
久しぶりのお顔がたくさん
30年前の開店当初は
お父様たちがいらして
くださっていましたが
今や息子さん達の世代に
お父様の面影があるお姿に
懐かしさと
嬉しい想いが溢れます
家業を守る、続ける
皆さん頑張っていらっしゃる
宴も終盤の頃
一人のお客様が
「ここで親父たちが
よく飲んだんだってね」
「親父の写真はこの仲間の
写真だらけなのよ」
そうでした、そうでした
お父様を含め
仲良しのお仲間が
よくご来店くださいました
思わず
「お父様たちは日本酒がお好きで
よく熱燗をお飲みでした」
「今日もその想いが強くて
日本酒をたくさんご用意したのですが
若い方々はハイボールでしたね」
とお伝えしますと
「そうだったのかー
だったら日本酒飲めばよかった」と
そうなのです
つい昔のことが残っていて
日本酒をたくさんご用意して
お待ちしていたのですが
ご注文はハイボールと
芋焼酎のソーダ割がほとんど 
今の流行りなのですね
お父様のときは
お燗が間に合わないほどで
徳利が何本も並びました

「おーい、この徳利
穴が空いてるんじゃないの?」
お決まりのフレーズ
「すみませーん、
今度は空いてない徳利で
お持ちしますね~」
これもお決まりのお返し
懐かしい想い出です
息子さんたち
気さくなお人柄もよく似ていらして
うちのスタッフに
「お姉さん、お姉さん、
プロゴルファーの〇〇に似てるねぇ」
なんて話しかけてくださって
嬉しく眺めていました
今、私達に話しかけてくださるお客様
すごく減ったのですよ
時代なのですかね
会話から笑いが生まれて
座が和む感じが
私は大好きなのですけれど
やっぱり市場の方々は
いいな、と思いました
縁あってこの場にいる人は
皆仲間、
的な人間力を感じます
最後に
今日の主役
廃業されるお方がご挨拶、
4代目だそうです
大きな決断
最後の節目に
こんなにたくさんのお仲間に
見送ってもらえる、
組合・仲間っていいですね
ひっそり幕を下ろすお方だって
この世にはたくさん
いらっしゃるはず
そして最後は
「築地恒例の一本締め」
築地恒例の一本締めというのは
よぉ~ パン
ではなく
パパパン、パパパンの
三本締めを一回だけ行う事
よく響く威勢のよい
掛け声と共に、
これだけの人数が
一斉に手を打つ
久々にシビれました
ビシっと場が締まります
お帰り際
息子さんたちから
「また来ます!
今度はオヤジたちの話を
聞かせてください」
と言われ
ジーンと込み上げてきました
あぁ、お父様のお話
お聞きになりたいんだな、と
親を想う息子さんたち
立派なお背中を見て
育ったのでしょう
直接会うことは出来なくとも
どこかで繋がっている
お父様の気配
そのほんの一部を
私がお伝え出来る、
歩いてきた道のりが
お役に立てる
嬉しい限りです
たくさんお話したいです
とてもカッコいい
粋なお父様たちでしたよ
この仕事に就いて良かったと
また心から思いました
さぁ、12月
1年の感謝を込めて
駆け抜けます 

お陰様で、
割烹きむらは今月
開店30周年を
迎えることとなりました
これもひとえに
お客様のお支えが
あったからこそと
深く感謝申し上げます
20周年の催しをしてから
もう10年という月日が
経ったのかと思うと
驚くばかり
二十歳のお祝いは
皆様に盛大にしていただいたので
三十路の節目は
静かに迎えようと
主人と話し合いました
いらしてくださるお客様に
心からの感謝を伝える
月間にしたいと思います
開店しました1995年は
阪神淡路大地震や
地下鉄サリン事件
決して景気のよい年では
なかったと主人はよく言います
私が嫁に来たのは
1999年の10月
ちょうど開店3年目の頃
サラリーマン家庭で育った私が
どうして躊躇なく
この世界に飛び込めたのか
と、よく聞かれるのですが
両親はどれだけ
驚いたことかと思いますが
表立って反対されることもなく
温かく送り出してくれました
店に立つ毎日は楽しく
お客様も素敵な方々ばかりで
充実した時間を
過ごしていましたが
立て続けに子供が産まれると
両立が大変に…
もちろん毎日は店に出られません
でも忙しい日はお呼びがかかる
乳飲み子を置いてはいかれず
両親に子守りを頼み、
ダッシュで家に帰ると
お腹を空かせて大泣きの赤子と
パンパンに張った母乳との
待望のご対面
あまりの泣きっぷりに
母が自分のを出そうかと思ったと
半分冗談、半分本気で
言っていたのを思い出します(笑)
年末の忙しいときなど
週に何度も来てくれて
本当に助けてもらいました
当時、同じように
子育てしながら働いていた親友から
「ご両親はお孫さんが可愛いも
あるけれど、娘のあなたを心配して
来てくれてるのだと思うよ
うちもそうだけど
親って有難いよね」と
言われハッとしました
こういうことをちゃんと
伝えてくれる友も
また有難き存在
一番近くで支えてくれた両親より
届いたお祝いのお花
ありがとう

ぎゃん泣きしていた息子達も
今ではお手伝いしてくれる
頼もしい存在になり
あとは私達が元気に働くのみ
健康第一でまいりましょう
たくさんの方々に
支えられて迎える30周年、
何より変わらず
お心にかけてくださる
お客様の存在
40代50代の
働き盛りだったお客様が
70代80代になられ
素敵にお年を重ねられた
お姿を見られる幸せ
勤めていた銀行を辞めて
もう25年も経ちますのに
上司、先輩、同期、後輩、
雲の上のようなお方々まで
変わらずにご来店いただき
「どうせ飲むならここに来るよ」と
温かいお優しさに、溢れる感謝
常連のお客様のお顔が
次々と浮かび、
たくさんの想いを日々
感じながら働くことが出来て
本当に幸せに思います
そして、
至らぬ夫婦を日々
明るく支えてくれている
当店自慢のスタッフ、
皆さんがいなかったら
店は1日も持ちません
本当にありがとうございます
コロナの少し前に板前が辞め
それからは1人で
厨房を守っている
主人にもあっぱれ!
毎日色々ありますが
仕事終わりに飲むビールで
全てを流して 
30年頑張り通しました
続けていくことは
エネルギーが必要 、
それを日々
皆様からいただいています
ありがとうございます
これからも
割烹きむらを
お客様が集う
楽しく温かい場所にすべく
精一杯、力を注いで参ります
どうぞどうぞ末長く
これからも
よろしくお願い致します
長年、節目節目に
ご家族を連れて
ご来店くださるお客様は
ご家族のご様子を
ずっと眺めさせていただき
半分親戚のような想いになります
以前、ブログにてご紹介した
男前社長さんもそのお一人
先日もご家族皆様で
ご来店くださいました
ご長女さんファミリー、
ご長男さんファミリー、
末の双子のお嬢さんは
イケメン彼氏さんを
それぞれお連れになり
総勢12名様の大所帯
一番のアイドルは
2歳の初孫ちゃん
もう可愛いったらありません
天使ですね~~👼
泣いてても可愛い
怒ってても可愛い
ニッコリ笑ったら
どうにもならない
破壊力のある可愛さ!!
イケオジの男前社長様も
今日はお目めが下がって
ホントにお幸せそう
主人も張り切って
社長様のお好きな
岩牡蠣のフライをご用意
ドーンと迫力ある
大きな岩牡蠣を手配しました
生でも召し上がれる岩牡蠣を
サックリ揚げた一品、
主人渾身のタルタルソースと共に
カブリとお口に入れると
海の香りがいっぱいに広がります

「お!牡蠣フライが
きちゃったよー」
「見てみろ、すごいだろ!」
喜んでもらえて
私達も嬉しさMAX
思わず
「幸せのおすそ分けを
ありがとうございます」と
お伝えしましたら
「真面目にやってきてよかったです」
というお言葉が返ってきて
グっときました
そうですよね、
お父様が守られたご家族
お一人お一人が
とてもお幸せそう
大宴席の一番端の席から
ご家族を温かく見守る
目のお優しいこと
溢れる父性を感じました
カッコいいお人だなぁ
社会に出ると7人いるという
敵と戦いながら、
色々な想いを重ねられて
今日があるのだと思います
主人もそのお姿を見て
「俺も頑張ろう」とポツリ
素敵なお手本があるって
幸せなことですね
目指すところです

