復学支援も同じですね。母親が強い決意を持って、支援の扉を開くから、子供が立ち直れる。親の特に母親の決意がないと、どうにもならない。子供が成長して自分で人生の選択をし直せるようになるまで、待たなきゃならない。

いつになったら…自立出来るのか
はたまた…一生出来ないままなのか…

『素直なお母さんは、変化が早い
子供の復学も早い』
と、復学支援の先生に何度も口をすっぱくして言われました。
(素直って何?わたし、素直ですけど?何か違うんですか?って思ってました。今は、わかります。素直でなかったな…って解るようになりました。)
精神疾患のお子さんが変わるのも、母親の素直さが治療効果に関わってくるんですね。
同じなんですね。

人間、素直さが一番なんですね。



わたし、今
『でも、だって』病から抜けるのに
苦労してます。                                                                                                                                                                 
信じて飛び込むが出来ない。

何を信じてないかって…

自分自身のこと  ですね。






ある勇敢な母親の話です。彼女の娘さんも、高校生になる頃から例の「泣き叫び」「大暴れ」が始まりました。小学生の子どもが泣き叫んでも病院に連れてくる親はほとんどいませんが、高校生の、体だけはすっかり大人になった子どもが泣き叫び、大暴れすると、何故か病院に連れて来られます。


するとその子の不幸の物語が幕を開けるのです。


不勉強で心無い医者に当たると、さらっと問診をされただけで、初診なのに、

統合失調症ですね。お薬出しておきます。

などと言われ、強力な鎮静作用のある抗精神病薬を処方されます。最初は確かに強烈な鎮静作用があるので薬は効きます。泣き叫びや大暴れはいったん、なくなる。その代わり、こんこんと眠り続けたり、昼夜逆転となったり、必要な食事をとらなくなったりと、人間としての基本的な生活サイクルが壊れ始めます。すると更に泣き叫びや大暴れが加速し、次から次へと薬が増やされ、挙句の果てには手足が震え始めたり、くちびるが勝手にもごもご動くようになり涎が垂れ流しになったり、まともに歩けなくなるという副作用が出てくる。しかし薬をやめられない。


このような物語は、不幸の序章にすぎません。



病気として薬を用いて治療するか、母親として教育し直すか、どっちを選ぶの?



というふうに。安易に薬に飛びつけば、上に書いたような恐ろしい物語が待っています。母親として「がんばる」なら、この子は薬を飲まずに済み、副作用に苦しむこともなく、入院して身体拘束されることもない。しかし、しばらくの間は家で泣き叫んだり、大暴れが続くので、母親は耐え忍ばねばならない。

どっち選ぶの?

必ず母親に選ばせます。選べないなら治療はしないよと必ず言います。親の自己操縦感が治療効果を左右することを知っているからです。その母親は強い決意で言いました。傍で見ていた私にもわかるほどの決意を瞳にみなぎらせていたのです。


薬を使わない方でお願いします。


精神科診察室で常日頃私が思うのは、親、特に母親が素直な子どもは治療効果が高いです。良くなる可能性を秘めている。なので、母親と話せば、その子が良くなるかどうかの凡そがわかります。素直さは「がんばる力」に直結しており、信念を曲げない大人へと成長します。信念を曲げない大人というのは、どうやら子どもにもわかるらしく、どれだけ泣き叫び大暴れしていた子どもでも、母親が徹底して「自分が育てるんだ」という意思を保ち続けると、薬が無くてもだんだん沈静してきます。実際、一度は精神科病棟で身体拘束されるレベルだった子どもを、母親の一念で「薬なしで」普通に生活できるようになった子どもは少なくありません。


勇敢な母親のお陰で、彼女の娘さんは薬を使わずに治療されました。たった半年で泣き叫びや大暴れはなくなり、親子関係が修復され、家事手伝いをするようになり、スマホへの依存もなくなり、元気に学校に通えるようになりました。ひとつの問題が解決すると、芋づる式に他の厄介な問題も解決する典型例のような話です。