引き寄せの法則とか、思考が現実化するとか、聞いたことありますか?
良いことを考えていたらそれが現実化するし、悪いことを考えてたらそれが現実化するから、いいことを考えましょう!みたいなポジティブシンキング。
ちょっとスピ好きの人なら、必ずどこかで聞いたことあると思います。
スピでなくても、ビジネス系自己啓発本とかでもよく見るかな。
アメブロでも多いですね。
私もしばらくこれ系の発信をされている方にハマっていました。
読んでいて気持ちがいいんですよね。自分が思い込めばなんでも現実化するって素敵じゃないですか。
そうだったらいいな、夢がかなうんなら、損はないしやってみるかな~、てな感じで、結構影響を受けています。
ひょんなことで、これ系の自己啓発の大元が、アメリカで19世紀にはじまった、「ニューソート」というキリスト教系(異端)宗派にあることを知りました。
このことを知ったきっかけは、河合隼雄先生のこの本に出てきた、スェーデンボルグという名前でした。
はて、、、スェーデンボルグと言えば、たしか死後の世界の話を書いていて、オカルトの父と呼ばれているような人のはず…。しかも、この間読んだ「約束された場所で」で、オウムの信者が「感銘を受けた本」としてあげていたな、と気になって調べました。
スェーデンボルグ(1688~1772)は、当時最先端の科学者だったのが、50を過ぎたころに神秘体験をして、それから死後の世界やキリスト教の新しい解釈について、たくさん本を書き、様々な人に影響を与えてたそうです。
で、このスェーデンボルグの思想に多大な影響を受けて19世紀にアメリカで発生したのが、「ニューソート」で、この教義が、今も読まれ続けている、様々な自己啓発本の源流だそうです。
Wikipediaによれば、
ニューソート(New Thought、新思考)は、19世紀アメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつ、一種の異端的宗教・霊性運動である。現世利益の追求を戒めるキリスト教プロテスタント系カルヴァン主義への反発を背景に生まれた[1]。
ニューソートは、アメリカのメスメリスト[注 1](催眠治療家)・心理療法家フィニアス・クインビー[2]やクリスチャン・サイエンスの創始者メリー・ベーカー・エディの思想を中心としていた。アメリカの対抗文化の流れを汲むニューエイジの源流のひとつであった。ラルフ・ワルド・エマーソンの哲学を支えに徐々に社会に浸透していった[3]。
ニューソートは、聖書の内容を従来とは違う立場から解釈しようとするもので、「人間の意識は宇宙と繋がっている」と考え、その根拠を聖書に求めるのが主流である[4]。
その主張には、「そもそも『原罪』は存在せず、あらゆる人々がキリストの力を内包している」、「正統的宗教哲学は数百年間過ちを犯し続けてきた」といったものが含まれていた。その教えを異端視する者がいる一方、従来の禁欲的キリスト教思想に疑問を抱いていた思想家、労働者、零細農場や工場の経営者らは触発された[5]。
ニューソートの成り立ちは、以下のブログがわかりやすいです。
で、この新しいキリスト教理解にもとづいた「ニューソート」の牧師や説教師が広めた思想が、20世紀前半に大ブームになります。
そして、ニューソート派の説教師、ラルフ・トラインの書いた『幸福はあなたの心で(In Tune with the Infinite)』が、全ての自己啓発本の源流です。
1897年に出版された『幸福はあなたの心で(In Tune with the Infinite)』は数年の間に50版以上を重ね、米国で150万部以上のベストセラーになりました。
また海外20カ国以上で翻訳され、100万部以上売れました。現在までに400万部以上売られており、ニューソート書物のうちで最も人気の高いものに位置づけられています。ヘンリー・フォードも自分の成功の霊感をこの書物から得た、と語っています。
『幸せはあなたの心で』はエマニュエル・スウェデンボルグの思想に基づいて書かれています。トラインはスウェデンボルグについて「高度に啓された賢者であり、『神聖なる流入』と呼んだものとの関連において、偉大な法則を指摘した」と述べています。
トラインの本は、20世紀に発売された「成功本」「願望実現法や引き寄せの法則」のすべての元ネタと言っても過言ではなく、20世紀「ザ・マスターキー」「思想は現実化する」。およそ100年後に書かれた「ザ・シークレット」など明らかにトラインの主張していることを自分の本に取り入れたもの、あるいは下記のジョセフ・マーフィーの一連の本のように全く内容がトラインの本と同一なものばかりです。
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(マーフィーは自身がニューソートの牧師ですので、当然といえば当然なのですが)
引用元
他にもウィリアム・アトキンソンという人がいて、この人は「引き寄せの法則」の言い出しっぺです。
この人はヒンズー教にも興味をもち、「ヨギ・ラマチャラカ」の名義で呼吸法の本を出したりしています。
この人から面々と続く引き寄せの法則の歴史についてはこちらが面白かったです。
このところ流行っているな~、怪しいけど、ちょっと読んじゃうな、もしかしたら本当かもな~、なんか宗教ぽくもあるな~ぐらいに軽ーく流していた「引き寄せの法則」や「思考が現実化する」が、結構な歴史を持つ、キリスト教の一派だということがわかり、びっくりしました。
私みたいなスピリチュアル好きな主婦から、ビジネスマンまで、色んな所に広がっているこの考え方。
アメブロ発の関連本もたくさん出ていますが、
実はその大本はキリスト教の一派の教義なんだよ!あなた知らない間に「自分は神様の力を内在している」っていう宗教に傾倒してたんだよ!なんて言われたら、私みたいにびっくりする方も多いんじゃないでしょうか。
色んなブログを参考にこの記事を書きましたが、元ネタは皆さんこの本のようです。
で、このニューソート、私みたいなスピ好きや現代のビジネスマンだけでなく、日本の社会に深い影響を与えているんです。
それについては次回に…。