発達障がい食環境支援士取得講座(略:食環境講座)講師さんが受けた難問です。

 

「魚が苦手だけどサプリではなくDHAとEPAを摂取するにはどうしたらいい?」

 

DHAとEPAとは、脳の構成要素であり、脳機能に不可欠な毛細血管を守る必須脂肪酸です。脂の乗った魚介類に多く含まれ、特に多いのは、イワシ、鯖、ニシン、あじ、さんま、太刀魚、ぶり、あん肝、サーモン、マグロのトロ、ハマチ、カンパチ、、鯛、ウニなどです。

 

胎児期に不足すると認知機能障がい、発達障がい、不安症、うつ病のリスクが増え、不足したまま高齢になると、認知症とともに血管心臓病のリスクも高くなることが科学的にわかっています。

 

ところが、DHAとEPAは、魚介類に多い反面、穀類、野菜、肉類には全く含まれません。ナッツやオイルもオメガ3脂肪酸はたくさん含まれますが、これらの脂肪酸は非常に低い効率(0.5-5%)でしかDHAとEPAに変換されません。

 

ですから、魚でもサプリでもなくDHAとEPAを摂取する方法は皆無です

 

魚を食べない人には、サプリを勧めたいのですが、日本には、健康食品やサプリメントには行政的な定義がなく参考資料)、ビタミン剤やカルシウムなどのサプリは、国への届出や審査がなくても販売することができる「加工食品」であることから厄介です。特にフィッシュオイルには、体に害のある重金属や汚染物質の混入の危険性があるので、慎重に選んでいただきたいと思います。

 

正しいサプリを見つける基準は、必要な目安量が含まれていること、IFOS(International Fish Oil Standards :世界で唯一のフィッシュオイルに関する厳格な基準)認定を受けていて、GMP(Good Manufacturing Practice :原料の受入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において、適正な製造管理と品質管理)認定と、理想的には原料の原産地が明確であることです。

 

サプリの目安量は、EPAとDHAを合わせて、乳児(0−1歳)は500 mg、幼児(1−3歳)は800 mg、大人は500−1000mgです。

私の検索では、日本で購入できる製品はドクターズチョイス プレミアムオメガ3だけでしたが、私の住むアメリカからの購入をお考えでしたら、カールソンノルディックナチュラルの2社が年齢や用途に合わせた製品を豊富に販売しています。

 

魚を全く食べなくても即座に病気になることはありません。ただ、妊娠時に魚を食べないと胎児の脳の発育が遅れる、幼児期に食べないと、発達障がいのリスクが上がる、成長しても食べないと、血管の炎症が多発して、動脈硬化が悪化、毛細血管の減少が進む、そのまま高齢になると、血管性認知症を含む心臓血管病のリスクが増大することを知ってください。

 

日本は世界に誇る魚介類の宝庫です。

 

包丁を使わなくても、お刺身、冷凍食品、お惣菜や缶詰など、食べる方法はいくらでもあります。ご質問をくださった受講生さんが、お子さんの脳の発達のために、またご自身の健康寿命のために、1回に100g程度、週に3回、食べられるようになっていただけるように、講師ともども努力していきたいと思っています!