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先月から始まった「発達障がい食環境支援士講座」という3時間の講座で、受講生さんから受けた質問の一つに「起立性調節障害」がありました。

 

起立性調節障害とは、思春期に発症しやすい病気で、午前中や起床時に頭痛・ふらつき・めまい・嘔気嘔吐・腹痛などの様々な症状が出ることから、不登校の原因の一つに数えられます。

 

問題なのは、熱が出るわけでもなく、強い咳があるわけでもないので、本人以外にその辛さが理解できないため、「怠け病」「仮病」と誤解されがちです。

 

発達障害ではないのですが、発達障害だと間違われることも多く、間違った対策が取られる可能性があるので注意が必要です。

 

起立性調節障害は、ストレスホルモン過多、血液量不足、手足の神経がうまく作動しないなどで起こる自律神経の病気で、成長期の急激な体の成長、睡眠不足、昼夜逆転の生活、食生活の乱れなどから発症しやすくなります。


その一方で、学術文献によると、発達障がい児が、起立性調節障害を含む自律神経機能障害を起こしやすいようです。

 

イギリスでも小規模な調査ですが、自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断されてから10年以上経つ19歳28名のうち、20人が自律神経機能障害を持ち、そのうち13名が起立性調節障害でした。


発達障がい児に起立性調節障害が多い理由には、交感神経を介した血管収縮がうまくいかないことから脳の血流が低下、日常生活に苦しさや生きずらさから生まれる慢性ストレス、睡眠リズムのコントロールが未熟(睡眠の質と長さの不足)、偏食による栄養素不足女性ホルモンの変化などが考えられます。

 

起立性調節障害を改善するには、自律神経のバランスを整え、血液量を確保することが必要です。

 

自律神経のバランスを整えるには、質の良い十分な睡眠アイソメトリックトレーニングヨガのポーズのようなものをじーっと動かずにする感じのトレーニング)が効果的です。

 

血液量を確保するには、水分(1.5−2L)、ちょっと多めの塩分(ただし一日に合計で10gまで)、ビタミンB12、鉄、タンパク質、ビタミンDの摂取が必要です。

 

特に月経があり、肉類が苦手な女子には鉄分、亜鉛、葉酸、ビタミンB12のサプリメントをお勧めします。

 

私は、遺伝学・栄養学の博士号を持つ管理栄養士です。偏食、自閉症、問題行動のある方たちとの関わった経験をもとに、誰でもできる、ちょっと意外な「脳のバランスを整える」科学的な手法をまとめて、発達障がい食環境支援士講座」という3時間の講座を作りました。

 

講座はオンライン、または全国のカルチャースクールで受講でき、「発達障がい食環境支援士」という資格が取得できます。

 

発達障がいに関わる保護者、教育関係者、あるいはご自身が発達障がいかもと思われる方に役立つ情報が学べます。興味のある方は、こちらのページをご覧ください。