「何が食べたい?」と聞くと、あなたのお子さんは何と答えるでしょうか?

 

子どもたちは、カレーライス、ピザ、オムライス、焼きそば、お好み焼き、ラーメン、ナポリタンなどの、カロリーばかりで必要な栄養素を含まない、いわゆる「空っぽのカロリー」の食事が大好きです。でも毎日こんな食事だと、発達障害のリスクが上がり、長期的には認知症のリスクを抱えたまま生きることになります。

 

これまでにも発達障害児が偏食の傾向があることをお伝えしましたが、6歳までにある栄養素が不足していると、脳が未発達のまま成長してしまうことがわかっています。その中で最も不足がちな栄養素はDHAとEPAで知られる高分子オメガ3脂肪酸です。

 

脳はその50−60%が脂質でできていて、その35%がDHAとEPAでできています。人間の脳は6歳までに急速に成長ますが、その時に脳を作る原料であるDHAとEPAが不足すると脳の発育が止まってしまいます。

 

胎児期から6歳までにオメガ3脂肪酸が不足した子供は、認知機能障害、不安症、うつ病のリスクが上がると考えられています。

 

DHAとEPAは魚介類の脂に多く含まれますが、穀類、野菜、肉類には全く含まれません。ナッツやオイルもオメガ3脂肪酸はたくさん含まれますが、これらの脂肪酸は非常に低い効率(0.5-5%)でしかDHAとEPAに変換されません。つまり、炭水化物中心の食事でなくてもマクロビやベジタリアンといった、一見健康的な食事で育った子供は、DHAとEPAが確実に欠乏します。


イギリスで1990年代から行った、14,000人以上の妊婦の追跡調査の結果、妊娠中に魚介類をあまり食べないと、子供のIQ、言語力、運動能力、社会的行動力などが低下するという報告があります。

 

ADHDと診断された子供はそうでない子供に比べて魚介類の摂取量が極端に少ないといいう報告もあります。

 

魚介類は、DHAとEPAだけでなく、脳の発達に不可欠なビタミンDも豊富です。特にDHAとEPAの多い魚介類は、イワシ、鯖、ニシン、あじ、さんま、太刀魚、ぶり、あん肝、サーモン、マグロのトロ、ハマチ、カンパチ、ウニなどです。

 

乳児の場合、母乳から摂取するので、お母さんが上記の魚介類を十分に食べていると摂取できていると考えられていますが、幼児で魚介類が苦手な場合はサプリメントをお勧めします。

 

サプリの量ですが、乳児(0−1歳)だとEPAとDHAを合わせて500 mg、幼児(1−3歳)だとEPAとDHAを合わせて800 mgが目安です。

nordic naturals.comから

 

私は、遺伝学・栄養学の専門家です。偏食、自閉症、問題行動のある方たちとの関わった経験をもとに、誰でもできる、ちょっと意外な「脳のバランスを整える」科学的な手法をまとめて、「発達障がい食環境支援士講座」という3時間の講座を作りました。

 

講座はオンライン、または全国のカルチャースクールで受講でき、「発達障がい食環境支援士」という資格が取得できます。

 

発達障がいに関わる保護者、教育関係者、あるいはご自身が発達障がいかもと思われる方に役立つ情報が学べます。

 

次回の講座は11月21日です。オンライン講座なのでご自宅から受講できます。興味のある方は、こちらのページをご覧ください。