皆さんはスクラロースって聞いたことがありますか?

カロリーゼロのダイエットコーラや水分補給飲料、アイスクリームなどに使われる人工甘味料です。他の人工甘味料と併用した、シュガーカットゼロカロリー60%オフオリゴなどの糖尿病の人や減量したい人向けの甘味料として販売されています。

スクラロースは砂糖の約600倍の甘さがあるため使用量が少量であること、体内にあまり吸収されないこと、11−27%が吸収されるが、体内で代謝されずにほとんど尿中に排出されることから、安全な甘味料として世界中で幅広く使用されています。日本では、1999年7月に厚生省(現厚生労働省)が食品添加物として認可されています。

しかし去年発表された研究で、スクラロースが腸内細菌のバランスを変えて糖不耐症を引き起こす可能性が指摘されました。

別の研究では、スクラロースだけだと問題はないが、スクラロースとともに炭水化物を摂取すると甘みを感知する能力が低下し、糖不耐症が起こることが報告されました。

つまり、サンドイッチやハンバーガーとともにダイエットコーラを飲む生活や、砂糖の代わりに「シュガーカットゼロ」や「カロリー60%オフオリゴ」を使ったおかずでご飯やパンなどの炭水化物を食べる生活を続けていると、糖不耐症になる可能性が出てきたのです。

糖不耐症とは、体がインスリン(血糖値を下げるホルモン)に鈍感になるインスリン抵抗性という現象、膵臓からインスリンが血中に分泌されているにもかかわらず、臓器のインスリンに対する感受性が低下し、血糖を取り込めない状態を示します。

インスリン抵抗性があると、筋や脂肪組織の糖取り込み能が低下し、肝臓では糖新生が抑えられなくなります。その結果、血糖値が下がりにくくなる一方で、筋肉量の低下や体脂肪の増加が起こるため、ダイエットをしても、運動しても痩せない体質になるだけではなく、インスリン分泌が止まらないことから、心臓血管病のリスクが上がります。

スクラロース自身には毒性はないと考えられています。使用量も砂糖の600分の1で済むので、甘いものが欲しい時、スクラロースを使ったダイエットドリンク、甘い紅茶、コーヒーを飲むのはオッケー、でもそれとともにスイーツやスナック菓子はやめておくほうが良いでしょう。