おそらく数年前からコストコに登場したこの商品。最近サンディエゴの日本人の人気だとか。日本で売られているかどうかは不明ですが、「どう思う?」って聞かれたのでさっそくお答えします。

 

干し椎茸は言うまでもなく和食に欠かせない旨み食品の一つです。食物繊維や血圧を下げるカリウムが豊富。骨密度だけではなく、血管の健康や感染症予防効果もあるビタミンDも多く含まれます。

 

椎茸チップスの見た目は干し椎茸が粉を吹いたような感じです。食べてみるとサクサクとクラッカーのような食感で、口いっぱいに干し椎茸の良い香りが広がります。では栄養価はどうでしょうか?

 

椎茸チップスは1人前30gなので、30gの干し椎茸と椎茸チップスを比較してみました。

同じ重量ですが、炭水化物とタンパク質の量から考えて椎茸チップスは椎茸の部分がちょっと少なめ、つまり、添加物が入った加工品であることがわかります。その添加物とは、油、塩、砂糖です。だからカロリーも干し椎茸の1.5倍なんですね。

 

もちろん、干し椎茸をスナックがわりに食べることはないので、今度は30gの椎茸チップスとポテトチップスを比べてみましょう。

 

カロリーは椎茸チップスの方が少なく、食物繊維は4倍量、油の量も半分以下なので椎茸チップスの方が健康そうに見えます。

 

ところが、ポテトチップスの塩分は意外に少なく、砂糖も添加されていません。一方の椎茸チップスは重量のなんと3分の1が砂糖でできていて塩も結構入っています

つまり、ポテトチップスを食べた時より、健康そうに見える椎茸チップスを食べた時の方が、食後の血糖値スパイクと血圧上昇が起きやすいと考えます。

 

つまり、椎茸チップスは健康食品ではなく、砂糖と塩の入ったお菓子です。

 

さらに、椎茸の旨み成分、グアニル酸はプリン体、尿酸のもとです。チップス感覚でたくさん食べると、あまじょっぱい味で絶対に何か飲みたくなります。私の新書「血圧の新常識」に詳しく書いていますが、もしあなたがそこでジュース、炭酸飲料、プリン体の多いビールをごくごく飲むと肝臓内で尿酸生産が加速されて血中の尿酸値が上昇して高血圧と痛ーい痛風が待っています。

 

椎茸チップスは、2−3枚程度を熱いお茶と共にゆっくりとお召し上がりになると腹持ちも良く食物繊維も摂れる健康的なおやつになると思います。何事もほどほどが大事ですね。