私の母はおせち料理は全て手作りでしたが、サバの棒寿司だけはいつものお寿司屋さんから年末に買い求め、お節に飽きた3日目ぐらいに出してくれました。3−4日寝かした方が良いということで、家の中で最も寒い玄関近くでひっそりと出番を待っていた竹の皮包みを今でも覚えています。

 

日本と違って選択肢が少ないサンディエゴでは、お寿司屋さんにお願いしてノルウェーのトロサバを箱で分けてもらっています。

 

 

冷凍物でシメサバができるの?と思われる方もいらっしゃるのですが、ご安心を。冷蔵技術のない昔は、若狭湾で取れたサバは立て塩をして笹の葉を敷いたカゴに詰められて夜通しかかって京の市場に運ばれ、シメサバに作られていたのですから、それに比べたら船内冷凍されてそのまま運ばれてきた魚の鮮度はよいのではないでしょうか?

 

とはいえ青魚は鮮度が命です。半解凍してきた頃合いで一気に3枚に下ろして塩焼き用は冷凍庫へ、シメサバ用にはベタ塩をします。ベタ塩とは、鯖の尾を持って塩の上にべったりと両面をつけ、すぐに引き上げて余分な塩を振り落とす方法です。このままザルにあげて3時間ほど水抜きをして下処理を始めます(詳しくは以下の作り方を参照)。

 

お寿司屋さんのものほど見た目が立派でなくても、ご家庭でも簡単にご馳走サバ寿司作れます。決めては酢飯に餅米を入れることときっちりと包んで少なくとも一晩寝かせることです。日本だと美味しいシメサバや龍皮昆布が手に入るでしょうが、私の住むサンディエゴではほぼ不可能。ということで我が家ののシメサバと龍皮昆布作り方も紹介します。

 

*市販品を使うと「アレっ?」て言うくらい簡単です。子供さんとご一緒にぜひ作ってみてください。

 

<材料と用意するもの>
しめさば4フィレ(大きいものなら2切れ程度)
龍皮昆布4枚(なくても良い)
もち米の入った酢飯2合(米1.5合、もち米0.5合)
白胡麻適量

(あれば青シソやゆずの皮のみじん切りなど適量)
ラップ
巻きす





<作り方>

  1. もち米は一晩水につけ、洗米と合わせて固めに炊き、酢飯を作る(合わせ酢の目安は、酢100ml、塩2g、砂糖30g)。
  2. 白胡麻や柚子の皮などを好みで混ぜ込む。
  3. 巻きすの上に広げたラップの上に湿らせた龍皮昆布を置く。
  4. しめさばは、尻尾の方を切り落とし、尾の方から身の足りないところへ埋め、全体の身が平らな長方形になるように形を整え、昆布の上に置く。 
  5. 冷めた酢飯を4当分にし、 鯖の上に酢飯を棒状におき、巻きすで巻く。ゴムバンドで巻きすを止め、重石をしてしばらく置く(1日以上置くと味がよく馴染む)。我が家では缶詰を重石に使っています。
  6. 食べる前にラップごと切る(半分に切ってそれぞれを3当分にすると6当分に切れる)。上手に着るコツは、包丁を軽く濡らすことと包丁を前後に動かして切ること、そして決して上から押さえつけて切らないことです。



 

<しめさばの作り方>
鯖の切り身は流水で洗い、水気を切る。バットに塩を敷き、尻尾を持って、両面に塩をつける(べた塩)。冬場は台所で、夏場は冷蔵庫で3時間ほど水抜きをする。酢水でよく洗い、薄皮と骨を取りる。この時血合いも取ってしまうと上品な味になる。米酢に30分つける。すぐに使わない場合は、冷凍保存すると、酢でしまり過ぎない。
 

<龍皮昆布の作り方>

薄めの昆布を甘酢に一晩漬け、100度くらいのオーブンで完全に乾燥させる。使うときに水または酢で湿らせる。