家で実ったトマトは香りがあって美味しいけど、スーパーで買ってきたトマトはおいしくないって思ったことはないでしょうか?

 

その理由は保存方法にあります。野菜は遠くから輸送したり、店で長持ちさせたりするために冷蔵保存されることが一般的ですが、トマトは一度でも冷蔵されると遺伝子レベルで大打撃を受けます


2016年にフロリダ大学の研究者が、5度(冷蔵庫の温度)に7日間保存したトマトの遺伝子25,000種を調べた結果、香りや甘味に関わる遺伝子が冷蔵というストレスで働かなくなることを発見しました(参考文献)。

 

これらの遺伝子はその後3日間室温においても発現量を増やさない、つまり、ある一定期間冷蔵保存されていたトマトは美味しさが激減してしまうのです。

 

私はなるべく地元で取れた(冷蔵されていない、またはおそらく冷蔵期間が短い)トマトを買って、上の写真のように台所の隅で保存します。どうしても冷たいトマトが食べたい時は氷水で冷やしますがそれ以外は室温のままで美味しく食べています。

 

トマト以外にも白菜や玉ねぎも冷蔵保存しないで、光の入る窓辺で保存しています。

 

白菜は花瓶に保存していると白くて綺麗な根が生えて元気を保ちます。いつも見えるところにあるので、スープや炒め物にととても使い勝手がいいし日持ちします。

 

玉ねぎを窓辺に?と不思議に思われる人も多いでしょうが、実はこれにも科学的根拠があります。

むいた玉ねぎは数時間、薄切り玉ねぎは1−2日、屋外で日向ぼっこさせます。

 

玉ねぎには、血管を保護して血圧を下げるポリフェノール、ケルセチンが豊富に含まれていますこのケルセチン、ストレスがかかると増えるという性質を持っています。ですから、健康効果の高いケルセチンを増やすためには日光に当ててUVダメージを起こさせる、薄切りにして酸化ストレスを与えるなどの方法があります。

 

白い玉ねぎが黄色みを帯びてくればケルセチンが増えた証拠です。

 

ケルセチンを増やした玉ねぎを毎日食べると、高血圧以外にも脂質異常症、認知症、感染症の予防効果、喘息や関節リウマチの症状軽減などの効果が期待できます。

 

有機農法で育った玉ねぎは、病害虫からの自己防衛のためケルセチンが多いことも知られています。最も多い部分は茶色い玉ねぎの皮です。

 

そこで我が家ではコストコで有機農法の玉ねぎを大量に仕入れ、一斉にむき、向いた皮は捨てないでまとめて洗浄し、重曹をひとつまみ入れた水で30分ほど煮出してケルセチン抽出液を作り、煮物や味噌汁に混ぜています。

 

茶色い薄皮をむいた玉ねぎを窓辺で保存すると腐りにくく長持ちするというメリットもあります。

 

冷蔵庫にしまうのではなく、見える場所に保存するといつの間にかたくさん野菜を食べるようになりますよ。