前回のブログでざっくりとユダヤのお正月を書きましたが、Tashlikh(タシリィ)は多分皆さんもやってみたくなる儀式です。

 

いつまでも過去の失敗や恨み、悲しみにとらわれているとなかなか前に進めないものです。過去へのこだわりから逃れるには?ユダヤの聖書、Torahにはその解決法が書かれています。その儀式がタシリィです。

 

タシリィとは、パンくずを「罪」に見立てて大きな水(海や川)に流す行事で、ユダヤのお正月の元旦から10日目の判決の日、 Yom Kippurの間に行います。

ビーチがこんなふうになって環境破壊になるのではないかと思う人はパンではなく、すぐ溶けるライスペーパーを流す人もいます。でもほとんどはシーガルに食べられちゃいます。

 

「罪」には自分のおかした罪だけではなく、他人の罪、それによって生まれた自分ではどうしようもない怒りや悲しみの感情も含まれます。

 

「流す」は「許す」ではありません。「罪」に占領されていた自分の感情のスペースを取り戻すこと、つまり「感情の断捨離」です。

今年は全員マスク着用で参加。ショファーを吹く時だけ外します。

 

スペースができれば考え方にも余裕もでき、前に進めます。パンくずを水に投げ入れるという行動で「見える化」することで気持ちを整える、よくできた行事だと思いませんか?

 

ユダヤのお正月でもう一つユニークなものはShofar(ショファー)という角笛を吹き鳴らすことです。この音を聞くと「新年だなー」って感じです。

 

音は山伏の吹く螺貝の音に似ています。実は山伏の装束もユダヤの祈るときの装束にそっくりなので、おそらく遠い昔にユダヤの影響を受けたのだろうという説もあります。

 

もしあなたが何らかの苦しみにとらわれているのなら、ほんの少しのパンくずを海に流してみませんか?小さなパンクずを投げるたびに「恥、あっちいけ」、「妬み、流れてしまえ」、「怒り、さよなら」などと呟くと心がすっきりするかもしれません。