最近の日本の研究では、「ちょっと太っている人の方が長生きだ」という結果が出ているそうです。
そのせいか、65歳をすぎた人が、ダイエットをしようとすると、
「年取ったらダイエットはしない方がいいのよ」と、太っている高齢者が忠告することもあるようです。
反面、90歳を過ぎても元気な高齢者に、太っている人は見当たりませんね。
一体、小太り型とやせ型のどっちが長生きなんでしょう?
『アンチエイジング・バトル最終決着』(朝日新書)
という話題書を上梓した坪田一男・慶應義塾大学医学
部教授(日本抗加齢医学会の理事長)が解説しています。
◆スウェーデンの研究から
スウェーデンの研究は、他の研究と違って、解析期間が長く30年。
小太りグループと標準体重グループで比べると
最初の10年は、死亡率や心血管系イベント発生率で差はない。
10年を超えると差が出てくる。
つまり、小太りの弊害はかなり時間が経ってから現れる。
❖40~50歳ぐらいまでは
小太りが2型糖尿病や高血圧などの生活習慣病や、一部のがん、
関節炎などのリスクを高めることは分かっています。
従って40~50歳ぐらいまではBMIが低い(やせ型)ほうがリスク
は低いはず。
小太りは肥満に移行しやすく、一度太ると体重は戻りにくくなる。
❖65歳以上は
栄養不足やタンパク質不足によるリスクのほうが大きくなるので、
この年代だけを対象に調査すれば、小太りが長生きという結果に
なるということです。
◆結論
坪田一男氏によれば
「若い頃から中年までは標準体重をキープし、高齢になったら
栄養不足にならないよう、小太りになるのがベストです」
とのことです。
なるほどね!
でも65歳以上になると、なぜ栄養不足やタンパク質不足
になるのでしょうか。
運動不足により、食が細り、食べられなくなるのだと思われます。
『アンチエイジング・バトル最終決着』は面白いです内容説明
「食事は1日1回vs1日3回」「運動は食前が良いvs食後が良い」など、
アンチエイジングに関する健康ネタを取り上げ、錯綜する情報を整理する。
日本抗加齢医学会理事長が、それぞれの分野の専門医が示す最新の研究成果
を挙げて説明。
目次
食(水はたくさん飲むべきか? 砂糖は体に良いか?悪いか? ほか)
健康食品(サプリメントは摂る?摂らない? 水素水は飲むべきか? ほか)
体の部位別(脳の抗加齢は可能か? ブルーライトはカットすべきか? ほか)
医療(がん検診はすべきか? がんは予防できるか? ほか)
そのほか(幸せは結果か?原因か? 本当に0時前に寝るべきか? ほか)