カエルとミミズの旅路・・・ | 絵本 イラスト ピー・ドロウ

カエルとミミズの旅路・・・

みなさま、こんにちは。
お元気ですか。すっかり寒くなりましたね。
今朝は、地震で目覚ましより早く飛び起きました。
その後も、断続的に小さい揺れが続き、久々にあの震災時の感覚を思い出しました。

 

最近の私はなぜだか、過去に感じた色々な気持ちが、まるで自動再生のようにフっと戻ってくるようなことがよくあって。

それは、永いこと忘れてた、置きっぱなしになってたものたちが、おい!って声掛けてきてるような感じで、その度にまた色々な感情を、ひとりで密かに味わってるのですが、それらに向き合う自分が、不思議ととても落ち着いていて。

そんな自分に気づく度「今ここ」なんて言葉が脳裏をよぎる。
そんな日々を過ごしていたところでした。

 

思えば、311、あの当時はとても強く「今ここ」と感じていました。だから心はいつも、シンプルだった。
不安で怖いのだけれど、何とも言えない不思議な充足感もあった。

このタイミングで、今朝、地震によってそれを再び、ありありと感じ直したことは、なんというか、ある種の導きのようだったとでもいいましょうか。

それがどんな意味だか、どこへの導きなのか、言葉で表すのは難しいですが。
 

さ。気をとりなおして。

今日は、絵本「いきあたりばったりのおはなし」制作についての、おはなしを^^。


このおはなしは、2年前、私がこのブログ上で1日1シーンずつ描いては載せていたもの。
今年に入ってすぐ「阿部佳世さん、東ティモールの山奥の図書館に寄贈するために、絵本を作ってくれませんか?」とご相談をいただいたので、しばらく寝かせていたそれを絵本にしているのは、いつかの記事でご紹介しました通りです。
絵はデータのまま保管しておりましたので、今、紙の絵本として作り直しておるわけですが、そもそも気まぐれでなんとなく作り始めたものなので、お話もその日の気分次第で展開していったようなところも多々^^;。

だから紙の絵本にするには、おはなしや絵に色々と手を加える必要があるのです。

 

絵本としてのこのおはなしは、色々と検討した結果、52ページにまとめました。

子供向け絵本としてはかなり長い。

まぁ、娯楽のない村の子供たちにとっては、短いよりは長い絵本の方がちょっとでも長く楽しめて嬉しいかもしれん。とか思ってみたり。笑

ちなみに、昨年作った絵本「All of Life is Special」も、同じページ数。

 

ページのサイズはA4。つまり見開きにしてA3です。
これは、印刷を依頼する予定の業者さんの扱う最大のサイズが、見開きA3だから。

村の図書館に置かれたとき、一度になるべくたくさんの子供たちがみんなで楽しめるように、大きくした方がよかろうと^^。

 

次は下描き。
下描きは、私は、パソコンで描いていきます。パソコンを使うのは、単に作業効率が良いから。

同時にこの段階で、文字のレイアウトも大体決めていきます。

全体の流れの抑揚など考えながら、絵と文字のバランスを画面上で微調整しつつベストと思えるバランスで構図を決め、Photoshopを使って下描きしていきました。

A3サイズの絵を25枚。それと、タイトルページをA4で1枚。

さらに表紙と裏表紙、A4をそれぞれ1枚ずつ。

 

パソコンで下描き。

このカット、割と好きだったのですが、

おはなしの冒頭でこれは「怖い」と物議をごく一部で醸すwww

だからというわけじゃないけど、他の諸々とのバランスなど考えて、

結局、より親しみやすい感じに変えました。笑


 

下描きが済んで、今は本描きの工程にあります。

パソコンで描いた下描きのデータを紙に出力、本描き用の画用紙に描き写し、

本格的に描き込んでいきます。

今回使う画材は、主に色鉛筆と、アクリル絵の具です。パステルとペンも少し。

 

下描きは、ライトボードを使って画用紙に写していきます。

(この画像は昨年夏の作業中のもの。)

 

ブログ上で公開していた時のカエルとミミズは、線画でしたが、色をつけられてる今は、データだった時よりも、動きや表情を増してきているんじゃないかなと思います。
線画には独特のリズム感があって、そういう絵本も個人的にはスキなのですが、

子供が見るのには色があった方が楽しいだろうと、着色することにしました^^。

 

現在の主な愛用の色鉛筆、サンフォードのプリズマカラー(現・カリスマカラー)。

外国製で、芯が真ん中から少しズレてることもたまにあるけど、発色混色ともに好き。

 

アナログは、言うまでもなく、やり直しが簡単にはできません。

パソコンであれば、何かあっても大抵すぐにリカバリできるのですが、手描きはそうはいかない。

ミスをすると、当たり前に、最初からやり直し。緊張感が全然違います;

完成に近づけば近づくほどドキドキです。
集中するとホントに息をするのを忘れるので、心の臓にはあまりよろしくない。

時々、クラクラなります。笑

やっと完成した!と思った絵も、後で見て、なんだかしっくりこない;と思ってしまえば、

やっぱり描き直し。。。なんてこともある。

結果、同じカットの絵を何枚も描くことも。

だからしっくりこないと思ってしまった時は、最大にクラクラします^^;

 

が、仕方ないんですよね、それだけの技量がない私のせいなのだから;;;

クラクラするし、泣きたくなるけれど、すべて自分のせい。
他の誰かのせいには、どうしたってしようがない。
これ、このお仕事の醍醐味の一つ、というか、自分に向いてると思える理由の一つです^^。

 

ちょっとだけ、エキストラの人も増えました。

本描きの工程、まだしばらく続きます。

 

 

ご依頼をいただいた当初は、お話もすでに出来ているし、

今年中に完成するんじゃないかな。と思っていましたが、無理でした(T_T)。
今は五合目、といったところかな。

ご依頼主であり、このプロジェクトのパートナーであるTNCCさんには、

こないだ、「スピードより質。楽しみながら納得できる絵をじっくり描いて」と。

そんな有り難いお言葉を頂ける、なんと幸せな私なんだろう。素直に、がんばろう、って思います^^。

 

カエルちゃんのように一足飛びにジャンプはできないかもしれない。
どっちかと言えばミミズちゃんタイプかもしれない私ですが。。。
これからも夢に向かってこつこつジワジワ、

にじり寄ってまいりますよ。^m^

 

だって、見守ってくれる家族がいる。応援してくれる友達やお客様がいる。
作品を楽しみにしてくれてる人がいる。

 

うはー。やっぱり幸せ。泣ける!(ノДT)アゥゥ

 

なにもかも、いいのができますように!!!がんばるよ!!!ありがとう!!!