西新宿 Bar BenFiddich(ベンフィディック)

西新宿 Bar BenFiddich(ベンフィディック)

BenFiddichの店名は店主の鹿山博康から由来【Ben】→【山】【Fiddich】→【鹿】
畑を持つ農家バーテンダーであり『Farm to glass』を提唱
日本在来種の自生する草根木皮をもカクテルに変える新しい可能性を模索
アブサン、薬草酒、古酒がゴロゴロ転がるBar

BenFiddich店主の鹿山です。


ロシアにはロシアの面白い酒類文化がある。
それが
ナストイカ 「Настойка」と
ナレウカ 「Наливка」

①ナストイカはウォッカにハーブやスパイス、果実を浸漬した甘くない強めの浸漬酒。
②ナレウカは、ウォッカに果実と砂糖で造る家庭的な果実酒(日本でいうとこの梅酒)

先日、ロシア国内のバーテンダーのカクテルコンペティションの審査員として渡露した際に御褒美として中央シベリアへ連れてってもらった。
そこはバルナウルというロシア.アルタイ地方の小さな都市。

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この辺。辺境な場所にあるがそこそこ人口がいて
近くにノヴォシビルスクという大きな都市があるので
埼玉県でいうと本庄や深谷市みたいな立ち位置。
比較的大きい群馬の高崎と北の玄関,埼玉の熊谷あたりにある衛星都市のような。

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街中で食べたアイス


そしてこの街で連れてってもらった素敵な中央シベリアのカクテルバーがたくさんの自家製リキュールであるナストイカとナレウカを作っていた。

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これらはカクテル用ではなく、全てがストレートで飲む用で仕込んであるナストイカとナレウカ。
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飲み比べセット。
左から
クリーム系のナレウカ
チェリーのナレウカ
ハーブ色々のナストイカ
パッションフルーツのナレウカ
西洋ワサビのナストイカ

これらをショットで飲み、塩漬けきゅうり(ピクルス)、ザワークラウト、ニシンの酢漬け、黒パン、サーロ(塩漬け豚脂)などを合わせる。
『口中調味』までとはいかないが、発酵系の食べ物を食べて、味の強いリキュール系で流し込むと余韻が長いので、口の中が遊園地みたいな感じになる楽しさがある。

伝統的なロシア料理レストランやロシア居酒屋ではウォッカやビール以外にもメニューに必ずナストイカ(浸酒)やナレフカ(甘い果実酒)が存在して各々の店の個性を出してるそう。

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左がチェリーのナレウカ(甘みあり)
右が西洋ワサビのナストイカ(甘み微量)
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ぎっしり漬け込む西洋ワサビ。
パンパンに漬け込むのがロシア流
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左はパイナップル
右は春キノコと言ってた。
(何かはわからないが季節のキノコらしい)
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マカダミアナッツのナストイカ。


そもそもの話で
ナストイカやナレウカは
『リキュール』と何が違うのか??


大きくは変わらない。
呼称の違いなだけ。

強いて違いをあげるならば

①ナストイカ(強めのドライな浸漬酒)
ナレウカ(甘めの果実酒)ロシア国内で呼び分けをしている。

②瓶に素材をパンパンに敷き詰めて比較的強めにエキスを出している。

であろう。
そして伝統的に何でも漬け込んで、色々なバリエーションがある。アルコールと素材の重量比はあんまり気にしてなくて、味が強く出てれば良いという感じで、伝統的な土着な文化感が好きだ。


そしてナストイカとナレウカがなぜ発展したのか?

もともと冬が長いロシア。
短い実りの期間に採って、漬けて、保存。
短い実りの期間に長い冬に備えていた。
ナストイカはハーブやスパイスが中心で元々は『薬』で冬を乗り越える滋養強壮。
ナレウカは季節の果実を閉じ込めた嗜好品。
寒い国だからこその保存食文化が育んだ賜物なんだと思う。ナレウカとナストイカ。

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チーズ、黒パン、ザワークラウト、ピクルス、ハムなどをつまみながらの飲むナストイカとナレウカ。
こういったもので冬を乗り越えたのだろう
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そしてチェーサーはビール。


この記事を書いたのが、5月上旬。
日本でもちょうど実りの季節でBenFiddichでも
ナレウカ(果実酒)を作ってみた。

ちょうど僕の畑の近くのヒノキ林の足元にたくさんの野苺(草苺)が実っていた。

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みんなで収穫
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たっぷり
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ロシアのナレウカのようにパンパンに入れ、
漬け込み
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草苺のナレウカと草苺のピューレを合わせた
カクテル


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ナストイカとナレウカの造り方を教えてくれたシベリアのバーテンダーの皆様。
ありがとうございました。


BenFiddich店主
鹿山博康