講談社BB読書記録 No.2 | BLOGkayaki1

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読書記録、環境問題について


『Q&Aご飯とお米の全疑問』高橋素子著/大坪研一監修/2004.10

 日本の食料自給率が40%を切ったということで、日本の米産業についての議論などが再加熱しているように見受けられる今日ではありますが、まぁ農政のように色々と拗れた話や利権の絡んだ話はやりますまい。
 それよりも、普段戴いているお米について、色々と雑学を身につけたほうが楽しいし、よりご飯を食べたくなります。
 だからですよ、今回のこのお米にまつわる「雑学多識」の本をもってすれば、米の消費率が上がるんじゃないかと、短絡的で楽観的な期待を寄せて、この本を紹介するのでございますよ。


 お米は、健康によい。アミノ酸スコア(必須アミノ酸含量バランス)も高いし、ビタミンB群が豊富だし、なんといっても今注目されているGABA(γ-アミノ酪酸)の含有量が高い。
 と、よくよく言われているにも拘らず、米の一人当たり消費量は50年前に比べて50キロ/年ダウンの約63キロ/年(2002年)。

 米は量よりも質が求められてきた。生産性の高いハイブリッド米(雑種強勢米)が日本で普及しないのは、その現れか。世界の食糧不足に備えて、日本で研究盛んなハイブリッド米が世界で注目されているのに、だ。
 これも一種の贅沢病か。

 贅沢病といえば、江戸時代の「江戸煩い」、つまり白米普及によるビタミンB群摂取不足による脚気の流行もまた含まれるかもしれない。
 真に健康によいのは玄米を食べることであって、白米では比較的意味を成さなくなる。

 そこで今では、発芽玄米に注目が集まっている。わざと発芽をさせることによって、表層を柔らかくさせ、苦味成分を少し分解させることで白米に近い美味しさを実現させた。

 とまぁ、これを読んだら少々の薀蓄を云々できるわけでございますよ。

 他にもね、大吟醸酒は米の表面を50%以上削る(普通の白米は10%)が、削った分はどうなるかとか、雑穀ブームの今、雑穀の自給率は、とか、そういうことも色々と知ることが出来て、楽しいのでございますよ。
 美味しいご飯の炊き方を、科学的理屈で持って知ることが出来るから、理系の人間にとっては炊飯もまた楽しくなるのでございますよ。