王のすぐそばには
はえぬきの側近5人が控え、
ハラハラしながらなりゆきを見守っている。
煮え切らない様子を見かねて、
王の右腕をつとめる青年が訴えた。
「王、決断してください!
わたしたちは
死ぬことなど恐れていません。
生命は永遠だとわかっていますから!」
キリリとした眉に涼しげな瞳が
鉄仮面の下からのぞく。
あれ?
この顔ぜったい見たことある…
Nちゃんだ!!!
なんと
現世のわたしが心から信頼している
大好きな友人のひとりが、
王に決断をうながす側近!Σ(°□°;)
今生は
親しい同性の友して登場してくれたけど
彼女とは別の過去世でも会っていて、
いつもいつも
わたしを見守りながら
励ましてくれるところは
変わってないんだよなあ…
しかし
そこまで言われても
馬上の王は
宝飾品のついた太い剣を
右手に大きくかかげたまま、
どうしても
どうしても号令をくだすことができない。
見かねて別の部下が言う。
「わたしたちは
あなたや国のために戦うのではありません!
自分の誇りのために戦うのです。
どうかご自身の誇りのために
立ち上がってください!」
部下たちが
わたしに罪悪感をいだかせないようにと
言っているのが
びりびり伝わってきて、
右手をあげたまま
鉄仮面の下で
泣きそうになるのをグッとこらえた。
***
それを見ている現世のわたしは
やっぱり
泣けて泣けてしかたなかったんだけど、
それと同時に
あーもうヤダこのひと‼️
事情はわからんでもないけど
悲劇のヒーローしょってないで
はよ決めろや!
…とか思ったりしてるから薄情なもんだ(笑)
だって
めっちゃじれったいんだもん‼️