現在はスマートフォンのカメラ機能も高くなっていますが、フラグシップ製品では、高額ズームや絞りのついたものまで登場しています。

 小型センサーなので大型センサーのようなことはできませんが、現在は5000万画素の製品も登場しているので、高解像度の写真を撮影できるようになっています。

 カメラは、

 【 環境内の光の状態を切り取る 】

事が出来る機材なので、ライティングによる

  ■ 光の当たった部分
  ■ 影の部分

の状態をそのまま残す事ができます。この状態だと状態が確定していないので、

  ■ 絞り
  ■ ISO感度
  ■ シャッタースピード

を調整することで状態を作ることになります。

 フィルムカメラだと

  ■ レンズ  : 絞り
  ■ フィルム : ISO感度
  ■ ボディー : シャッタースピード

の指定が出来るのですが、現在のデジタル製品だと、この辺りをボディー側から調整できるようになっています。

 

 

 

  フィルムと感度

 


 フィルムの場合、

  ■ タングステン
  ■ デイライト

があるので、色温度の違いについてはフィルムで指定するような方法を用いていましたが、

  ■ 屋内 : 白色電球
  ■ 屋外 : 太陽光

なので、全く色温度が異なるので、この状態で最適になるような状態をフィルムで指定するようになっていました。

 フィルムには、100や400のような表記がありますが、これがISO感度になります。感度が高いとその分だけシャッタースピードを稼げるので、ISO 400のフィルムを使うと、4倍のシャッタースピードを選択できます。

 例えば、屋内でISO 100のフィルムでアンダーになるシャッタースピードでも、ISO 400のフィルムを使用すると4倍遅いスローシャッターの状態と同じ明るさにすることができます。
 
 これが、ISO感度の変更による状態変化になります。基本的に写真や動画の明るさは感度で調整しますが、現在は、写真だけでなく動画でもRAWを使用できるので、色深度の深い状態で撮影した場合には、撮影後に調整をすることもできます。

 写真の場合、

 【 照度ではなく光の指向性のほうが重要 】

なので、光の状態というと空間照度ではなく光源の指向性や光の質のことを指します。これが物体の状態を決める要素なので、ライティングではこの部分を作ることになります。その為、照度はその後の付加要素でしかないので、自然光の場合でも光の状態ができていないと機材が良くでも取れるものの品質は低いままになります。

 光の状態が確定して空間内の光と影の状態を作った後に画面内の明るさを考えることになるのですが、この際にカメラだけで完結するように撮る場合だと、ISO感度で調整することになります。

 現在のデジカメでは動画も撮影できますが、この場合、不可逆圧縮形式(ロッシー形式)の汎用コーディックで記録をする仕様になっています。その為、8bit/4:2:0のH.264などで記録している場合が多いのですが、こうしたコーディックだとフレームの状態を見るとJPEGよりも色の情報が少ないので調整幅はかなり狭くなっています。

 その為、RAWなどのような調整幅がないので、撮影時にある程度状態を決めておく必要があります。この際に

  ■ 彩度
  ■ コントラスト
  ■ NR
  
などの状態を指定できるので、ここでLOGほどではなくても色の情報が多くなるような設定にしておくと編集時の色の調整幅を広くすることができます。

 PCでのノンリニア編集が前提に鳴っている場合だと、コントラストや彩度は下げたほうがいいのですが、コントラストは階調の圧縮度合いのことなので、コントラストを上げると階調が狭くなります。その為、この状態の映像ソースを調整しようと思っても調整幅が狭いので最初から広めにしておいて調整時にコントロールするほうが意図した状態に近づけやすくなります。

 彩度を上げると色飽和をしやすくなるので、H.264のように階調が暗所で潰れる状態になるような映像ソースを使う場合だと、階調を広くしたほうが扱いやすくなります。そうなると、少し眠たいような表現で記録しておいて後処理で方向性を決めたほうが意図した色を出しやすくなります。

 ISO感度を上げなければ撮影できないものもありますが、好感度撮影をするとランダムノイズが出てしまうので、映像にするとちらつくようにノイズが出てしまいます。これを後処理で消すこともできますが、特定の感度以上で撮影するとディテール感まで失われるのでカメラで使用できる常用感度は決まっています。

 常用感度やダイナミックレンジについては大型センサーの製品のほうが優位性があるので、フルサイズやそれ以上のセンサーをしようしたほうが高感度でのノイズ体制が強いと言う特性があり、色深度の深い状態で記録を行ったとしても色の再現度が高い傾向があります。

 

 

 

  シャッタースピード

 


 シャッターはカメラのボディー側についていますが、フィルムの場合だと、薬品の化学反応で感光させて、現像液で像を出してそれを定着させるような流れになっています。

 フィルムの場合、プリントを行うので印画紙に対して焼き付けることになりますが、この際にフィルムで撮影しただけのものだとメリハリのない状態なので、

  ■ 焼き込み
  ■ 多い焼き

などを行って状態を作ることになります。

 フィルムカメラの場合だと、レンズからの光をファインダーで直接見ることになるので、ペンタプリズムを通して像を見る仕組みになっています。と言っても、レンズを通過する光軸とファインダーは全く異なる場所にあるので、ここに光を通す必要があります。

 この時にレンズの光軸を曲げてペンタプリズムに送る役割を担っているのが、シャッター幕に実装されたミラーになります。

 フィルムカメラはフォーカルプレインなシャッターではなく、物理的に跳ね上がるミラーを実装しているわけですが、このミラーを介して像を見る仕様に鳴っています。

 このミラーの後ろにフィルムが装填されているわけですが、シャッターを切るとこのミラーが跳ね上がり、フィルムに観光するので像を記録することができます。

 この時に 

【 フィルムに光を当てる時間を決める 】

必要がありますが、この時間を指定するのに 【 シャッタースピード 】 を使用することになります。

 写真用のカメラはミラーが回転軸で周り上に上がったりフィルムに光が来ないように遮蔽する仕組みになっていますが、動画用のカメラは全く異なる仕組みになっており、円弧の隙間から光を当てるような仕組みになっています。これが回転しているので、 【 ローリングシャッター 】 と言いますが、動画の露光時間は円弧の角度で指定するので、動画の場合はシャッタースピードではなくこの角度を示す 【 シャッターアングル 】 を用いることになります。

 シャッタースピードを変更すると、動いているものを撮影した時の結果が変化します。

 これは、花火の写真を撮影すると解りやすいのですが、同じ花火を撮影するにしても

  ■ ハイスピードシャッター
  ■ スローシャッター

では結果が異なります。ハイスピードシャッターはスポーツや野鳥などの動きを 【 止めて撮る 】 時に使用するので、花火でそれを行うと 【 点の状態で記録される 】 ことになります。

 三脚が必要になりますが、スローシャッターで花火を撮影すると光の軌跡を記録することができます。世の中で見かける花火の写真の多くはスローシャッターで撮影したものばかりですから花火が広がった状態になっています。

 

 花火を撮影すると

 

 

のような感じで軌跡を残すように撮影しますが、カメラだけでも

 

 

のように撮ることもできます。失敗写真の中には

  ■ 手ブレ
  ■ 被写体ブレ

がありますが、この2つはシャッターが着れるまでの間に何かしらの動きが生じたものになります。ちなMに

  ■ 手ブレ   : カメラ
  ■ 被写体ブレ : 被写体

が動いてしまっているので、この状態を回避しようと思うとシャッタースピードを稼いでハイスピードシャッターにする必要があります。

 しかし、花火などのようにスローシャッターで撮影する事例になると、ハイスピードシャッターは使用できませんから、三脚などで動き自体を固定する必要があります。

 写真の場合

  ■ 被写体を止める
  ■ 被写体の流れを記録する

と言う方法がりますが、モータースポーツなどで背景が流れていて被写体が止まっているような撮影をする場合には、流し撮りをするので、そのまま撮影をすると被写体ブレが発生するような露出でカメラで被写体を追うようパンすることで被写体だけを止めた状態で記録することができます。
 

 失敗写真については、

 

 

の中で触れていますが、基本的に対処に合わせて露出を決めたり、シャッターが着れるまでにカメラや被写体の座標変化が生じないように固定して写真を撮ることができます。

 写真の場合は、画像内に記録されるデータでブレが生じるので1つの画像の話になりますが、動画の場合だと、フレームの前後の画像の違いとしてブレが生じます。その為、写真よりも強力な手ブレ補正をかけないと揺れた映像になってしまいます。

 また、コンシューマの多くのカメラがグローバルシャッターではなく、ローリングシャッターを採用しているので、記録速度よりも移動が速い場合にはローリングシャッター現象が発生します。これは、


のようなものになりますが、グローバルシャッターだと発生しないような斜め方向の歪みが生じることがあります。

 


 

  絞り

 


 絞りはレンズの機能になりますが、レンズには光を通す穴が用意されており、この穴の口径を絞り羽根で調整する仕組みになっています。この開放にすると円形になり、絞っていくと多角形になります。

 この時の多角形の形状は絞り羽根の枚数で変わってきます。

 写真を撮影する際にはピントを合わせますが、この時にどの辺りまでピントが合っているのか?を決める必要があります。この時に 【 被写界深度の調整 】 を行うことになります。

 被写界深度はピントを合わせた平面から前後にどれだけの範囲の空間までピントが合った状態にするのかを指定する時に使用しますが、この調整を行う時に使用するのが絞りになります。

 絞りを使用した場合

  【 絞りの状態と被写界深度の変化 】

    ■ 開  放 : 浅い
    ■ 絞り込む : 深い

という変化が生じるので、目的で使い分けることになります。

 例えば、風景写真の場合だと、MFで無限遠似合わせてからマクロ撮影をするようにフォーカスリングでピントの位置を合わせていくことになりますが、この時に、回折による小絞りボケがでない状態で絞り値を決めることになります。
 
 ポートレートの写真だと目やまつ毛の辺りしかピントが合っておらず、肌の質感が主張しないような撮影が行われている物もありますが、こうした撮影をする場合にはレンズを開放側で撮影することになります。

 ボケを作る場合には、背景や前景だと被写体との位置関係でコントロールできるので、遠ざけるだけでボケてくれますし、マクロのように被写体に近づくと被写界深度は浅くなるので、開放側で撮影すると結構浅くなってくれます。

 また、焦点距離を長くして望遠などで撮影すると被写界深度は浅くなるので距離の圧縮効果を入れた被写界深度の浅い写真を撮影することができます。

 これとは別に、大型センサーを使うと被写界深度が浅くなるので、被写界深度の浅い状態から調整しながら撮影することを考えると、

  ■ フルサイズ以上の大型センサー
  ■ 明るい単焦点レンズ

の組み合わせで、

  ■ 被写体と背景や前景色の距離感
  ■ ワーキングディスタンス
 
を調整するとボケのある写真を撮影できます。また、焦点距離が長くなると、被写界深度は咲くなるので、上記の条件と組み合わせると背景ボケのある写真を撮影することができます。

 当然、レンズには絞りがついていますから、単焦点レンズでも被写界深度の深い写真を撮影することができますが、いいたん焦点レンズを購入した場合、開放側でも綺麗医撮影できますが、

  【 1〜1.5段分絞って撮影する 】

とシャープな部分が増えるので、開放側では得られない表現になります。

 小型センサーになると、絞ったのと同じになるので、

  35mm換算での焦点距離の変化の倍率分だけ
  暗くなる

特性がありますが、これが絞り混んだときと同じような結果になるので、マイクロフォーサーズだと2段分位絞ったような表現になりますし、1/2.5型センサーだと5.5段分絞ったような表現になります。

 その為、小型センサーでF2.8のレンズ構成の製品を使用しても被写界深度はかなり深いはずですが、これはフルサイズだと5.5段分絞ったような表現なのでこのような状態になっています。

 小型センサーのカメラは半押しでピントの位置を決めて撮影すると、かなり広い範囲でピントが合っていると思います。これが、小型センサーの特徴になりますが、フルサイズや中判で同じように撮影すると被写界深度が浅くなるので全く異なる表現になってしまいます。
 

 

  シネマレンズ

 
 

 レンズには写真用のレンズと映画用のシネレンズがありますが、シネレンズは基本的にMFレンズなので

  ■ フォーカス(ピント)
  ■ ズーム
  ■ アイリス(絞り)

の3つのリングが実装されています。その為、

  ■ 主題
  ■ 奥行き感の変化
  ■ 被写界深度

については、レンズ側で全て操作できるようになっています。

 その為、

  ■ AF-C
  ■ AF-S

のようなものは存在しないので、フォーカスもリングで決めることになります。

 

  RAW現像

 


 デジタルの場合、RAWで撮影して現像をすることになりますが、カメラの仕様として

  【 露出は1/3段ステップでしか変更できない 】

ので、結構階調がまばらな状態に鳴っています。この指定で状態が再現できればいいのですが、見た状態と異なるものが出来上がる場合には調整して露出では指定できなかった状態にする必要があります。

 カメラの場合オートで撮影してもカメラの仕様が変わるわけではありませんから、マニュアルで出来ることをカメラが自動で行っているだけなので、色彩や明るさの状態が1/3段の間に来るような状態だった場合には、後処理でその女歌を作ることになります。

 RAWの場合、14bit(16,384階調)の色深度ですから、8bitの256階調よりも圧倒的な情報量で記録しているので調整幅が全く違います。スマートフォンの場合、外部レコーダーのPRO_Res記録と同じ12bitなので4,096階調になりますが、JPEGやPNGとは全く異なる色の情報を記録できるようになっています。

 その為、JPEG+RAWで撮影して

  ■ JPEG : 傾向の記録
  ■ RAW  : 実際の調整

を行うことになります。
 

 

  JPEGと調整

 

 JPEGは256階調の色深度しか無いので調整幅が狭いのですが、



のようなものを撮影して、GIMPで調整すると、



のようになります。

 

 明るさなどは調整することが出来るので、過度に上げると



のような状態になりますが、更に調整していくと



にすることもできます。

 

 

  写真とピント

 

 写真を撮影する場合には、ピントを合わせる必要がありますが、この時にどの場所に合わせるのかを考えることになります。

 例えば、



のような感じのものを少し調整して



のようにして、ピントの位置が解りやすい状態にして確認するとこの写真では、

 

の場所にピントが来ています。拡大してみると、

 

 

のようになっており、手前と深くするとディテールが出てくることが確認できます。

 

 

マクロ撮影を行うとこのように被写界深度が浅くなりますが、

 

 

見た際に

 

 

 

のように顔の部分にフォーカスを持っていく必要がある場合だと、この写真では後ろにピントが来ていますから、失敗写真として扱うことになります。