先日は、
にて絵について書きました。絵を描く際には色を使用しますが、画材によって白色の使い方が異なります。画材だと
■ 透明水彩
■ 不透明水彩
で描き方が異なります。まず、透明水彩だと白色は用紙の色を使用するので、用紙の色は 【 空間の光源の色 】 と考えて使用することになります。用紙には青みがかった白とクリーム色のものがありますが、これが環境光の色温度の違いと同じ効果をもたらします。
この辺りは、グリザイユ+グレーズで描くときの考え方と同じですが、ベースカラーが存在する場合、上に乗せる色はベースカラーの影響を受けますから用紙の色で結果が変わります。そのため、ミ・タントの用紙のように色が異なるものを使用すると同じカラーパレットで同じように彩色を行っても完成品の色の方向性が違ってきます。
このように色の方向性が用紙で異なるので透明水彩で白色を使用する場合には、用紙の色が白色である必要があります。
また、条件が異なる場合だと、白色のジェッソで下地を作ってから塗ることになります。
これに対し、不透明水彩は 【 色を遮蔽する 】 特性があるので、白い部分の再現を行う際には、白を色使用することになります。
基本的に透明水彩や色鉛筆はネガティブペイントで状態を作っていくことになるので、明るい色に対して暗い色を乗せていく塗り方になりますが、逆の塗り方だと色が乗らない場合もあります。
色鉛筆はクレヨンと同じで 【 重色 】 で色を作っていくことになりますが塗ることが前提になっているので、最初に行うのは、 【 色合わせ 】 になります。その為、色数の多い製品を用意して色見本を作った後に、どの色が目的の色と同じなのかを確認しながら色彩感覚を養うようにすると色の判断が出来るようになります。その後、重色で色のの作り方を覚えると意図した色で塗ることが出来るようになります。
絵の具は重色だけでなく調合が出来るので 【 混色 】 でパレット上で色を作って塗ることになります。
これが色の使い方になりますが、不透明な画材だと塗り残すだけでなくいろをのせることもできます。
クレヨンでは、
のような感じで色を乗せることができますが、
のように塗り残した状態から色を追加する方法だけでなく
のように色を塗っておいて
のように上から色を乗せることも出来ます。塗り残しを使った場合には、
のような表現が出来ますが、層を使って重色を行うと
のようになります。基本となるのはこの2つの技法ですが、クレヨンはスクラッチの技法があるので、
のように塗り分ける範囲を決めておいて、
のように真ん中の部分だけに白色を塗ります。この後に
のように塗りつぶしてからスクラッチを適応すると
のような表現を行うことが出来ます。この作業では、
のような異なる層を用意して
のように削ることで後ろの層の状態が見えるようにしているわけですが、この描き方を 【 塗膜 】 を使うことで再現しています。
鉛筆の場合、グレースケールなので、白色で塗ると言う概念がないので、 【 消しゴムを使う 】 ことで白色の加筆を行えるようになっています。その為、
のような塗り残し+加筆だけでなく
のような消しゴムによる白の追加ができます。塗り残しを使うと
のような感じになりますが、
のように塗った後に消しゴムを使用して
のように状態を追加することも出来ます。鉛筆の場合だと、
のように形に対して色彩を追加する仕様になっていますが、この時の色彩の組み合わせで画材の使い方が変わってきます。
鉛筆で描く場合、
■ 鉛筆
■ 消しゴム
■ 用紙
だけでスタートできるのですが、滑らかな面や濃淡の階調のコントロールを刷る場合には、
■ 擦筆
■ 練りゴム(練り消しゴム)
などがあったほうが調整しやすくなります。広い面だとティッシュペーパーでも代用できますが、擦筆だと削って使用するので鉛筆の先端のように細かい部分をぼかすことができます。
階調をコントロールする場合には、
■ ネガティブペイントで濃度を追加する
■ 消しゴムを叩くように使用する
ことになりますが、鉛筆だけだと 【 ネガティブペインティングで状態を作っていく 】 ことになります。
その為、薄い色の上に層をかさえネていくような考え方で描くことになりますが、全体的なトーンが強すぎた場合には消しゴムだけでは修正できないので、練りゴムを丸めて用紙の上で転がすことで消しゴムの粒子を吸着させることで濃度を落とすことが出来るようになっています。また、電動消しゴムでは難しい 【 白やグレーの細いラインの追加 】 を行う際にも練りゴムを使用します。
ソレ以外だと用紙を止めるための
■ カルトン
■ 目玉クリップ
があればいいのですが、実際に存在するものを見て描く場合だと、イーゼルのように 【 カルトンを立てて固定できるもの 】 があったほうが描きやすくなります。
印刷物を使用したり、タブレットで表示した画像を見て描く場合だと机の上に置くと同じ平面上に並んだ状態で描けるので問題がないのですが、テレビやディスプレイのように垂直と水平方向で画像が表示される機材の場合だと、イーゼルを使って表示している機材と水平に近い状態で描くようにすると描きやすくなります。
絵は座学とは異なりますから、黒板を見てノートに書くのような方法だと作業にならないので、自習をする際に
■ 本
■ ノート
を机に置いて勉強をするほうが作業が行いやすいと感じるはずです。これが、【 少ないラグで情報を扱っている状態 】 でのメリットになります。
義務教育の美術だと、
■ 鉛筆
■ 消しゴム
■ 用紙
だけで描くことになるので、
■ 形を取る
■ 影を面で考えて追加する
■ 調子をつける
■ ディテールを追加していく
と言う流れで描くと練りゴムがなくても描き進めることが出来ると思います。
鉛筆で描く場合には必然的にモノトーンになってしまうので、描く段階で
■ 3D → 2D
■ カラー → モノトーン
の変換を行うことになります。この場合、明暗差だけだとわかりやすいのですが、色彩だと絵を描いたことがない場合だと、グレースケールの色相環の知識がないはずなので、
■ 濃淡
■ 色の強弱
で色を割り当てて考える必要がでてきます。この場合、濃淡は明暗差に近いのでイメージできると思うのですが、【 色相 】 のような色の違いはイメージできないので、黄色を基準に考えていくとイメージがしやすくなります。この部分はグレースケールだと白に近いので、これに赤や青の成分が加わると暗くなる特性があります。その為、三原色のグレースケールでの色の方向性を決めておけば、 【 中間色の黄色成分の比率を基準にして濃度の状態を決める 】 ことが出来ます。
基本的に色彩は
■ 色相
■ 明暗差
のような物が加わるので、確定した色が存在した場合、その要素に対してグリザイユで影の情報を追加したような変化が生じます。
色の確定している場合、色相にYるグレースケールの状態が決まっているので、この濃度の変化を考えていくことになります。この際に、
■ 物体の色
■ ハイライト
■ シャドウ
■ シェード
が存在しますが、基本的に光と影は白と黒ですから、三原色に対して光と影を追加した状態でもこの2つにはならなりません。
描く際に
■ 白 : 輝点
■ 黒 : 漆黒
という基準を設けておけば、三原色をグレーに振った時でも白飛び黒つぶれはしなくなりますし、漆黒の中でライティングした際の物体の表現をする際にもディテールが消失するようなことはなくなります。
この辺りは、現在の映像で使用されているHDRのPQの考え方になりますが、ドルビービジョンのような色の考え方を用いると暗闇や光の中に物体の色が飲み込まれるような色の選択をせずに済みます。
形の表現
絵を描く際には形を再現することになりますが、この際に
■ シルエット
■ 立体感
■ 質感
を扱うことになります。シルエットは形の境界なので、これは平面ですから、この平面に対して立体感を与えようと思うと、形状のじょうたいをしめすじょうほうをついかするひつようがあります。デッサンでは、この時に線の効果で面お流れを表現します。
絵と形状
鉛筆で絵を描くと
のような感じになりますが、こうした形状は、
のような流れになっており、これが
■ 緯度
■ 経度
で存在しているので、
のような方T理になっています。こうした経常を描く場合にも
のように質感で描き方が変わってくるわけですが、黒つぶれすると状態がわからなくなるので、色彩の状態をある程度コントロールすることになります。
鉛筆とハッチング
デッサンの場合、ハッチングで形の方向を指定できるのですが、これは人が見た際の印象として先の向きに影響を受けるという視点誘導効果を使用したものになります。
こうしたラインで表現する方法は二値の絵でも使用されるので版画でも用いることになりますが、銅版画の場合だと、曲線的なラインで構成されているので、クロスハッチングとは異なる濃淡の作り方が行われています。
ペン画用のハッチングだと紙幣のマクロ撮影を刷ると参考になると思いますが、先円札には
のように富士山と逆さ富士が描かれているわけですが、
のように濃淡が再現されています。また、夏目漱石も
のような波打ったラインで構成されていますが、表情の部分を見てもらうと、ポリゴンのように形状に沿った形で流れが作られています。デッサンの場合の調子をつけるためのラインも同じ考え方なので、体に沿った形で描いていくことになります。
鉛筆と表現
鉛筆で質感を出す場合には、目的の表現方法で状態を作ることになります。この作業は画材での 【 塗り 】 と同じ工程になるので、 【 塗り絵を塗る 】 のと同じ状態になります。
その為、 【 大人の塗り絵を購入して塗るような作業 】 と変わらない状態になるので、塗り自体の練習をしてない場合、う塗る方法自体がわからない場合があります。
下絵については 【 範囲指定のみ 】 なので
のような物になりますが、ここに塗りを加えて
のような感じにします。これは3つの異なる表現を行っていますが、右側のものが面塗りなので、鉛筆の側面で塗ったものになります。面売を行うと、先の影響がでないので、滑らかな質感になります。
この場合、全体的な色を刻する場合や影を追加する際に使用します。
真ん中の部分がハッチングのみのものになりますが、線の流れがあるので、局面に見えると思います。
これが線による印象の変化になりますが、絵を描く場合には線の流れでも形を再現することが出来ます。
一番左側のものがペン画のような二値の条件で描いた場合になりますが、この場合、ベタとホワイトしか使えないので、
■ 線の使い方
■ ハッチングなどの効果用の線
■ ベタ
■ ホワイト
だけで描くことになります。
漫画の場合だと、ここにスクリーントーンのようなきれいな点描を使用することが出来ますが、ペンだけだと上記のものを使用して描いていくことになります。
筆ペン
画材の中には筆ペンもありますが、この画材では筆圧によって線の強弱をつけることが出来ます。
シャープペンシルで絵を描くと
今回もコピー紙に描いており、Panasonic Lumuix DMC-TZ85で撮影しています。