先日は、

 

 

にて画材について書きました。

 

 基本的にデジタルとアナログでは完成品が異なるので状態そのものが異なるわけですが、デジタルの場合、ベクターグラフィックで作っても画像ファイルにする際にはラスターグラフィックにするので、二次元配列のデータの集まりを作って各座標に 【 RGB 】 の光の三原色のデータを追加することになります。

 

 その為、デジタルの場合 【 平面のデータのみが生成される 】 と言う仕様になっています。

 アナログの場合だと、用紙などの上に絵の具などを重ねていくので 【 塗膜 】 と言う層が出来上がります。その為、海藻が発生するのですが、アクリルや油彩のように 【 厚みを付けて質感を追加する 】 事も出来るので、均一の色だけでなく 【 筆の流れの質感を使う 】 こともできるようになっています。この辺りが、デジタルと異なるのですが、こうした描いた時の質感が 【 物体の奥行きの変化でも残っている 】 のがアナログで描いた時の状態になるのでデジタルとアナログでは完成品が全く異なりますが、この辺りは完全に画材特性の違いですから、片方だけで対処できると言うものではありません。

 デジタルで描くくせが付くと 【 座標制御の能力が上がらない描き方をしてしまう恐れがある 】 のと 【 構造を変形させて治すクセが付く恐れがある 】 ので、そういった 【 ツール依存の描き方に慣れると形を取る能力が著しく下がる恐れがある 】 ので、絵を描く上ではあまりいい状態とは言えません。

 その為、この能力が下がると 【 クロッキーで形が取れなくなる 】 と言う弊害が出るのですが、修正する描き方が慣習化してしまうと 【 形が取れない症状が慢性化する 】 のでアナログになる線が暴れたり、位置関係や大きさの整合性が取れなくなる恐れがあります。

 デジタルで描く場合でも

  ■ 修正をセずに形を取るようにする
  ■ 消しゴムを使わずに1枚のレイヤーだけで描く

ようにするとクロッキーと同じになるので、この状態でツールの補正機能や調整機能に依存せずに描くようにするとアナログで描く時と同じ座標制御が出来るようになります。

 アナログでも

  ■ 木材
  ■ コットン紙
  ■ ケント紙
  ■ 麻
  ■ アクリル板

に描く場合だと、同じ筆と画材を使っても描く間隔が異なるので、使用する画材と支持体で描く感覚に合わせて描いていくことになります。

 絵を描く場合、画材を揃えることになりますが、最小構成は

  ■ 画材
  ■ 支持体

になります。長期保存をする場合には、保存をするコート剤を用意することになります。

 木炭だと炭用の用紙があるのでソレに描くことになりますが、絵の場合、

  ■ キャンバス
  ■ 木炭

で比率が異なるので使用する画材で用紙の寸法も変わってきます。

 キャンバスのサイズは 【 F/M/P 】 の三種類があり、この種類で画用紙の比率が違います。数値は同じでも比率が異なるので寸法が異なります。ちなみに、キャンバスの広さだとFサイズのものが一番面積が広くなっています。

 一般的な用紙だと

  ■ A判
  ■ B判

がありますが、0と言う全判用紙を何回切ったのかを示したものが数字で示されています。これを比較するとB0
判のほうがサイズが大きいのでB判を選ぶと大きな用紙を導入できることになります。

 コピー用紙だと

  ■ A4判
  ■ B4判

がありますが、B4判のほうがサイズが大きくなっています。漫画の原稿用紙もこの2つがありますが、同人誌などで使用されているものでA4がありますが、プロ用の製品ではサイズの大きなB4もあります。

 ちなみに、漫画の原稿用紙はコピー紙よりも表層が滑らかなので滑りがいいのですが、上質紙やレイドペーパーよりもケント紙のほうがツルツルとした感じで、滲みも少ないです。

 漫画の原稿用紙は200枚入りで3000円弱の製品もありますが、ケント紙は同じサイズで50枚で1000円以上しますから結構値段に差があります。

 基本的にケント紙は何でも描けるので画材を問わないのですが、マスキングテープで止めるなどして紙を張っておく必要があります。

 また、表層が強いのでマスキングテープと一緒に表層が剥げる事もありません。

 その為、こうした用紙で描く場合だとマスキングテープで止める環境を用意できたほうがいいです。

 絵を描く場合だと、 【 用紙を平坦な場所に配置できる状態 】 を作る必要があるので、カルトン(画板)やパネルを用意して描くことになりますが、美術教室のように 
 
  ■ パネル
  ■ 目玉クリップ
  ■ 用紙

を用意して描くというのは少し難しので、カルトンを用意するほうが環境を作りやすいかもしれません。

 基本的にカルトンやパネルと同じように 【 広い平面 】 が必要になりますから机の上で描く場合だと、机のサイズに収まる用紙のサイズで描くことになります。

 このように 【 用紙単体 】 だと安定しないので、下敷きになるような硬いものが必要になるわけですが、スケッチブックだと表紙と裏表紙がカルトンの代わりになるものもあるので、しっかりとした物だとカルトンのように使用して絵を描くことが出来ます。これが画用紙とスケッチブック後外になりますが、絵を描く支持体も作業が可能なスペースによってサイズが変わってきます。

 ちなみに、キャンバスについては、F100以上のものがあるので、3メートル位のものもありますが、用紙についてはB0判が最大なので 【 1456 × 1030 】 が最大になります。印刷の場合、この横幅の広い状態のものをロールにして長さを決めて使用することになりますが、水彩用紙にもロール紙があり、1440mmの幅のロール紙もあります。アルシュも確かこのサイズのものがあったと思いますが、ウォーターフォードなどもこのサイズがあります。中判がB2と似たようなサイズになっていますから、普通に購入できる用紙でもこうした巨大なものを選ぶことが出来ます。流石に、キャンバスは枠に対して表層の布を打ち付けたものになりますから、F300とかは特注になりそうな気がしますが、P50とかのサイズだとオンラインで注文できるようになっており、アマゾンを見てもはアマゾンの取り扱いで販売されています。

 流石に、本のタイプだとサイズがそれほど大きくありませんが、スケッチブックだとB3やF10と言うサイズがあります。用紙の場合、スケッチブックや本の形で閉じられているものもありますが、水彩紙のように水針が必要なものだと、その手間を省いてくれる 【 ブロックタイプ 】 のものもあります。これは四面がノリで止めてあるので、水彩絵の具を使った時に発生する 【 皺(しわ) 】 を抑えてくれる仕様になっています。出来上がった絵が乾燥した後にペーパナイフなどでノリの部分を剥がすと絵が完成するのですが、画用紙がそういった形で止めてある仕様の物になっています。

  用紙には色々ありますが、水彩画の場合だとコットンとパルプでは結果が全く違う場合があります。その為、ある程度滲んでパルプののよう乾きやすい特性の物を選ぶ場合だと混合紙を選ぶことになります。安価なものだとクレスターなどもありますが、ワトソン紙などがコットンとパルプを使ったものになっています。
 
  これで練習して滲みを使わない表現だとパルプを使い、水彩の滲みやボカシを使う表現だとコットンを使うことになります。この時に製品によって蛍光が異なるので、目的にあったものを探すことになります。

 滲みを求めると無理があるので、描き方がまったく違うのですが、コピー紙でも水分を抑えると水彩絵の具を使用できますが、やはり、皺が出てしまうので水貼りの手間が生じてしまいます。アクリルだとジェッソを塗ってから描くと言う方法もありますが、水を使う場合だと描く前の作業が必要になります。

 水彩絵の具の下地でもジェッソを使うことが出来ますが、ジェッソは、

  ■ アクリル樹脂エマルション
  ■ チタニウムホワイト
  ■ 炭酸カルシウム(石灰)

で構成されていますが、元は、テンペラ画で使用されていた 【 石膏 】 のことになりますが、流石に石膏を使うのは無理があるので、もう少し扱いやすい仕様のものになっています。これを薄めて紙を張った状態で塗っておくと紙の状態がしっかりするのですが、木材に描く際に木目を使わずにフラットにする場合に塗った後に紙やすりで表層を整えて使う方法もあります。その為、模型を作るのと似たような作業と同じ流れになりますから、そういった作業をする場合には作業場所を用意しておく必要があります。

 エマルションはアクリルを水に分散させた状態を保って使いやすくしたものになりますが、これとチタニウムホワイトですから、この2つだけだと 【 白いアクリル絵の具 】 になります。アクリルの画材はエマルションが使用されているので

【 アクリル絵の具 】

  アクリルエマルション + 顔料

【 グロスメディウム 】

  アクリルエマルション + 増粘剤

【 マットメディウム 】

  アクリルエマルション + シリカ系の粉末


のように混ぜるものを変更すると使途の違うものが出来上がります。つまり、アクリル絵の具とメディウムは元の材料にアクリルエマルションを混ぜたものになります。

 炭酸カルシウムは、石灰(せっかい)ですから、貝殻や卵や白亜の主成分になります。

 下地については、

【 石灰+膠水(にかわすい) 】 

でも作る事が出来ますが、日本画だと 【 胡粉 】を膠水で溶いて下地に使用します。これが石灰になりますが、メディウムの中にもこの胡粉のメディウムもあります。

 油絵では、

【 ムードン + 顔料 + 膠水 】

を混ぜて使用することになりますが、この時に使用するムードンが 【 白亜 】 の商品名になります。これは使ったことがないのですが、手間がかかり難易度も高いです。

 ちなみに、水彩絵の具は、アラビアゴムと言う水溶性の物を顔料と混ぜ合わせたものになりますが、これも単体で販売されているのでマスキングに使ったり、顔料と混ぜて絵の具を作ることも出来るようになっています。
  
 ジェッソを使うと絵の具の定着が良くなるのですが、木材を使う際に発生するヤニを止めることは出来ないので、

  (1) シーラーを塗って乾燥させる
  (2) ジェッソを塗って乾燥させる

というように層を重ていくことになります。これで下地が出来るので、その上に絵を描いていくことになります。

 ジェッソはそのままでも濡れますが通常は

  ■ ジェッソ : 10
  ■  水   : 2

の割合で薄めて泡立てないように混ぜます。刷毛のほうが塗りやすいのですが、毛の痛みが気になる場合だと少し難しくなりますが、ペイティングナイフでも塗ることが出来ます。

 これを 【 縦と横に数回交差に塗っていく 】 ことで下地を作ることが出来ます。この際に、最初の層が乾いてから次の層を塗るようにして状態を作ることになります。

 前述のように木材パネルに描く場合には、シーラーとジェッソのような層を作ることになりますが、この状態だと

  ■ 絵の具
  ■ ジェッソ
  ■ シーラー
  ■ 木のパネル(支持体)


のような階層になります。絵の場合最後にワニスなどで保護することになりますが、この表層を保護する際にどのような質感にするのかを決めることが出来ます。この表層の保護材にも質感の偏光が出来るので

  ■ マット : つや消し
  ■ グロス : ツアあり
  ■ サテン : 半ツヤ

の選択が出来ます。アクリル絵の具の場合だと、メディウムで

  ■ マット : 不透明
  ■ グロス : 透明

にできますから、絵の具や下地の状態でアクリルの透明感を出すのか、透過の状態を抑えるのかを指定できるのですが、その塗った上から更にトップコートとして塗るワニスで質感をコントロールできるようになっています。この辺りは模型と同じ考え方になるので、

  ■ 模型の塗膜の質感
  ■ トップコートの質感

の組み合わせで最終的な模型の表層の質感が出来上がりますが、アクリル画を描く場合だと

  ■ 不透明なパーツ
  ■ クリアパーツ

をメディウムで作れるのでその上から塗ることが出来ます。これが模型の塗装と同じ状態になるので、この上からトップコートで最終的な質感の方向性を決めることになります。その為、木材の場合だと、


  ■ ワニス
  ■ 絵の具
  ■ ジェッソ
  ■ シーラー
  ■ 木のパネル(支持体)


のような層になりますが、絵によってはトップコートをどのように行うのかでも層の構造が変わってきます。ちなみに、テクスチャアートだと


  ■ ワニス
  ■ 絵の具
  ■ メディウム
  ■ ジェッソ
  ■ シーラー
  ■ 木のパネル(支持体)

のような構造になるので層が更に増えます。

 描くだけだと画材と支持体だけで描くことが出来るので練習だとこの2つを揃えておけばいいのですが、長期保存を考えると、保存できる状態を作るものを用意して保存方法を守って管理することになります。


 

 今回もコピー紙に描いており、Panasonic Lumuix DMC-TZ85で撮影しています。

 

 

 TODAY'S
 
絵と奥行き

 

 絵を描く際には奥行きが存在していますが、これも法則性があるので構造を理解すると立体感を与えることが出来ます。

 

 

 

 

  絵の構造

 

 中学校の美術では 【 透視図法 】 が登場しますが、これを用いると

 

 【 2.5Dでの座標制御 】

 

ができるようになります。また、

 

 

のような形で横方向に距離を取って正面の距離との好転を樹督すると、消失点につながっているパース線との交点が正面で分割した距離と同じになるので、等間隔で奥行きを分割することが出来ます。一点透視図法の場合だと、この状態でパース線と水平のラインを引くとグリッドを作ることが出来るので、部屋の奥行きや硬さをグリッドを喜寿にして制御するKとが出来るようになります。

 

 

 

 

  絵と構図

 

 絵の場合写真と同じで

 

  ■ 縦構図

  ■ 横構図

 

が存在しますが、用紙の向きによって描けるものが変わってきます。用紙は

 

 

 

のように使いますが、この時に用紙のサイズを9当分するようになラインを引いてそこを基準にレイアウトをすると構図を行いやすくなります。この際に

 

 

のような縦方向の三分割をして考えることになりますが、1:2の比率で考えた時にどちら側が広くなるのか?を先に決めることになりますが、 【 主題側の比率を広くする 】 事になるので、地面と建物だと建物が主題なので縦構図だと

 

 ■ 建物 : 2

 ■ 地面 : 1

 

のような比率にします。空と大地で空が主題な場合だと、横構図で

 

 ■ 空  : 2

 ■ 地面 : 1

 

のような比率にすることになります。

 

 

 

  重なりと奥行き

 

 現実世界だと視点によって奥にあるものが遮蔽っされることがありますが、これも立体感を与える時に使用できるものになります。例えば、

 

 

のように物が並んでいる場合だと、

 

 

のような漢字で物が見えると思いますが、

 

 

のような状態も

 

 

のように対象物の並びが存在しており、これをカメラでアオリで見ているのでこの状態になっています。この構造も、

 

 ■ 背景

 ■ 遮蔽物

 ■ 人物

 

というレイヤーが存在しているので、この状態になっているわけですが、絵を描く場合も、このレイヤーの下層を考えて描いていくことになります。

 

 人物の場合も

 

 

のように手を前に持ってくると前後の関係が出来るので、手が前に合って、顔や体が後ろのある状態が出来上がります。

 

 こうした構造ですが、絵の場合だとレイヤーで分けて考えると構造をイメージしやすくなる訳ですが、最下層のレイヤーからアタリを取っていって、全面に向かってオブジェクトを重ねていくと空間内お構造を 【 平面的な理解 】 のみで構成することが出来ます。また、パースをつけた倍でも

 

 

のようになります人物を入れる場合でも

 

 

のように人が遮蔽物になっています。

 

 

  奥行きを見る

 

 絵を描く場合、現実世界を平面の世界に起こす必要があるので、見えているものアウトラインを取得して平面上に再現刷ることになります。

 

 その為、この特殊能力を取得する必要があるので、透明なスクリーンを用意してそこでトレースを子なうことで立体くをアウトラインとして認識する練習を行うことになります。これが、最初のステージになりますが、この状態だと

 

 【 クロッキーのような平面の取得 】

 

になるので、デッサンで行っている

 

 【 面の流れをイメージしにくくなる 】

 

ので次のステージでは、 【 奥行きの変化 】 を考えることになります。例えば

 

 

のような空間がある場合、一点透視図法ですから奥に向かって距離が生じていますが、

 

 

のような形のものだと、道沿いのパースと建物の奥方向へ向かうパースがつきます。その為、絵の中の矢印方向にパースが付くので、この構図は二点透視図法で制御するとパースのコントロールが行いやすくなります。これに高さ方向にパースが付くようだと三点透視図法を用いることになります。

 

 

 

  クレヨンでの塗り

 

 クレヨンを使うと

 

 

のような感じで色を重ねていくことも出来ますが、

 

 

のような点描で描くことも出来ます。その為、

 

 

のような形で色を重ねていくことも出来るのですが、点描で描くと

 

 

のような感じの質感になります。これは、

 

 

のような【色の集まりになっていますが、引きで見ると

 

 

のようになります。実際にもっと小さなサイズにしてみると

 

 

のようになるので、点描で描いているという印象は少なくなります。これが印象派の時代に使用されている点描を使った技法をクレヨンで再現したものになりますが、クレヨンや色鉛筆でも油彩で行われているこうした技法を再現することが出来ます。

 

 こうした技法は面を塗るのではないので通常の塗りよりも時間がかかるのですが、面に色を塗り重ねるのとは異なる効果を得ることが出来ます。

 

 

 今回もコピー紙に描いており、Panasonic Lumuix DMC-TZ85で撮影しています。